シェアハウスの管理は、普通のアパートやマンションとは異なります。
1つの建物内での共同生活なので、独自のノウハウが必要になります。
オーナーが自主管理をするケースは少なく、「シェアハウスの管理会社」に委託するケースがほとんどです。
管理内容がとても多いので、管理料も普通の賃貸物件にくらべて高くなります。
シェアハウスは基本的に管理人が必要ありません。
しかし、管理内容がしっかりしていないと共同生活に支障がおきて、入居者が定着しません。
安定したシェアハウス運営には、すぐれた管理がとても重要になります。
このコンテンツでは、シェアハウスの管理内容を詳しく解説しています。
不動産オーナーや投資家が、シェアハウス管理会社を選ぶときの指針や判断材料になるように記載しました、
20棟・300室のシェアハウスを10年以上管理している経験のある筆者が、シェアハウス管理の実態をわかりやすくお伝えします。
目次(もくじ)
入居者の募集~契約まで
入居者の募集・問合せ対応
シェアハウスの入居者募集は、ほとんどがインターネットでおこないます。
おもに3つの方法があります。
- シェアハウスのポータルサイト
- オーナー・管理会社の物件サイト
- フェイスブックなどのSNS
全国(ときには海外)から入居希望者からの問合せが、メールまたは電話で来ます。
相手の希望や条件をヒアリングして、最適な物件を提案します。
物件の見学日時・待ち合わせ場所を決めてアポイントをとります。
物件の案内・見学
シェアハウスの案内時は、物件の最寄り駅で待ち合わせをすることが多くなります。
管理会社の担当者(自主管理はオーナー)が物件を案内し、説明したり質問に答えたりします。
審査・契約(定期借家契約)
審査が問題なく物件が決まったら、賃貸借契約を結びます。
シェアハウスは「定期借家契約」を採用することが多いです。
前家賃やデポジットなど入居に必要な金銭を受け取り、部屋の鍵をわたします。
入居中の管理内容
家賃・共益費の管理
入居者から毎月の家賃・共益費を徴収します。
銀行振込み、クレジットカードなど管理会社によって対応が異なります。
入金が遅れている場合や滞納がある場合には、早急に対応します。
共用部の清掃
物件内の共用部を中心に定期清掃をおこないます。
- 水回り : キッチン、洗面所、トイレ、シャワー室など
- その他 : 玄関まわり、屋内廊下、共用ベランダなど
物件の規模により定期清掃の回数は異なります。
10名前後のシェアハウスでは、週2回くらいが多いようです。
トラブル対応
様々なトラブルにすぐに対応します。
設備のトラブル
- 洗面所がつまった
- エアコンのリモコンが動かない
- リビングの電球が切れている
入居者のトラブル
- 隣室の騒音
- ハウスルールを守らない人がいる
退去の業務
入居者とやりとりして退去日時の確認をします。
各種サイトに「空室予定」の募集案内を掲載します。
退去後に室内の清掃を行います。
退去者にデポジットを返金します。
その他の業務
イベントやパーティーの企画・開催などを行います。
筆者が管理するシェアハウスの事例
筆者は、2007年からシェアハウスの運営・管理にたずさわっています。
現在では、20棟・300室のシェアハウスを管理しています。
その経験から、実際に現場でおこなっている管理業務をまとめてみました。
- 入居者の審査は、問合せから入居後までおこなう
- 身分証明書、実家、勤務先(学校)の情報を確認する
- 会社の事務所で契約をおこない、契約書類は全文を読んで説明する
- シェアハウスの入居経験がない人には、入居後の連絡・フォローをする
- トラブルには当日に対応する
- 休日・夜間のトラブルは、外部サービスを利用する(24時間対応)
- 家賃の入金が遅れている人には、必ず1週間以内に連絡をとる
- 共用部の清掃は週2回以上おこなう
- 退去後3日以内に室内清掃をおこなう
- 年に数回、バーベキュー大会などのイベントを開催している
このようにシェアハウスの管理業務の内容は多岐にわたります。
そのため、「管理料」は最低でも家賃総額の20%以上になるケースが多くなります。
シェアハウス管理についての注意点
シェアハウスは管理の内容がとても多いため、オーナーは管理を委託するケースがほとんどです。
オーナーの注意点をまとめました。
管理を委託する際の注意点
- 管理内容が多いため管理料は高くなる
- シェアハウスは管理が重要であることを認識する
- ずさんな管理は入居率を低下させてシェアハウス運営に大きな影響をおよぼす
- サブリース契約(家賃保証)でも管理体制・内容は把握しておく
シェアハウス管理の重要性やノウハウなどを知っていると、管理会社を選定するときの指針や判断材料になります。
シェアハウス運営を成功させるためには、しっかりとした実績があり信頼できる管理会社を選ぶことが重要になります。
たとえば、問題になった「かぼちゃの馬車」のシェアハウスでも、管理はまかせっきりだったようです。
オーナーが管理会社の内容や情報をもっとよく知っておけば、被害を少なくできたかもしれません。
まとめ
- シェアハウス管理の内容はとても多岐にわたる
- 管理料はアパートやマンションにくらべて高くなる
- 委託先の管理内容をよく確認することが重要
- 実績があり信頼できる管理会社を選ぶ
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