シェアハウス「玄関」の作り方-3つのポイント(事例あり・オーナー向け)
シェアハウスの玄関の作りかた

 

このコンテンツでは、シェアハウスの「玄関の作りかた」について解説しています。

玄関は「家の顔」と言われます。

シェアハウスでは、入居者が出かけたり帰宅したりするときに必ず通る場所です。

玄関がきれいに整理整頓されているかどうかは、入居者にとって毎日を気持ちよく生活できるかどうかにつながります。

 

そのためには、「必要な設備を整えてしっかりとしたルールを定めて運営すること」が重要になります。

シェアハウスの玄関は、入居希望者を案内するときの第一印象にもつながる場所です。

よりよい入居率を確保するためにも、玄関を整えることはシェアハウス経営の基本になります。

 

このコンテンツを見れば、シェアハウスの玄関の作りかたとポイントが簡単に理解できると思います。

20棟・300室のシェアハウス管理会社で企画と運営にたずさわってきた筆者が、失敗事例も交えてお伝えします。

 

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シェアハウスの玄関は「仕組み」と「セキュリティ対策」が重要

シェアハウスの玄関は、入居者の利用のしやすさとセキュリティ(防犯)対策が重要になります。

このつは密接に関係しているので、どちらも満たすような設計が必要です。

入居者同士で共用するために使いやすい玄関に設計し、ルールを作ってしっかりと守ってもらう仕組みを構築します。

多くの人が利用するので「セキュリティ対策」も必要になります。

とくに「女性専用シェアハウス」は入居者の防犯に対する意識も高いので、十分な対策をしていきましょう。

また、玄関は入居希望者を案内するときの「第一印象」となるので、入居率を維持するためにも手を抜くことはできません。

 

シェアハウスの玄関の作り方にはポイントがあります。

 

シェアハウス玄関のポイント
  1.  外部の作りかた
  2.  内部の作りかた
  3.  その他の注意点

 

大きくつに分けて見ていきましょう。

 

玄関の作りかた①「外部編」(シェアハウス)

 

  • ドアと鍵の設置
  • その他の設備の設置

 

玄関カギの選定(オススメあり)

シェアハウスの玄関キーは、一般的な鍵を使うことはあまりありません。

その理由は、玄関の鍵があると入居者は玄関と個室のカギを毎日本持ち歩かなくてはならないからです。

鍵を紛失することもありますし、オーナーや管理会社の対応も大変になります。

そのためシェアハウスの玄関キーは、「入居者が共用できる」ものを採用することが多くなっています。

ドアを決める前に、設置する「鍵」を決めておきましょう。

主に下記のような種類があります。

 

玄関のカギの種類
  • 通常の鍵
  • ディンプルキー 
  • 暗証番号キー (アナログ式・デジタル式)
  • カードキー 
  • 指紋認証キー 
  • スマートロック 

 

通常の鍵の写真画像

通常の鍵

 

ディンプルキーの写真画像

ディンプルキー

 

暗証番号キー:アナログ:写真画像

暗証番号キー:アナログ

 

暗証番号キーの写真画像

暗証番号キー

 

カードキーの写真画像

カードキー

 

指紋認証キーの写真画像

指紋認証キー

 

スマートロックの写真画像

スマートロック(フォトシンスの公式サイトより)

 

 

それぞれの特徴やメリット・デメリットをまとめました。

 

メリット デメリット

通常の鍵
通常の鍵の写真画像 
ポピュラーで安価 ・合鍵の準備と管理が必要

・複製の恐れがある


ディンプルキー
ディンプルキーの写真画像 
通常の鍵より複製しにくい 合鍵の準備と管理が必要

暗証番号キー
暗証番号キーの写真画像 
鍵が不要になる 変更のたびに全入居者への連絡が必要

カードキー
カードキーの写真画像
セキュリティが高い 製品コスト・紛失時のコストが高い

指紋認証キー
指紋認証キーの写真画像 
セキュリティが高い ・製品のコストが高い

・入居・退去ごとに登録と抹消が必要


スマートロック

スマートロックの写真画像

(フォトシンスの公式サイトより)

 

・スマホやスイカなどで開閉できる

・遠隔操作が可能

・見学時など「一時キー」の発行が可能

電池やwifi(無線LAN)が切れると作動しない

 

 

筆者のおすすめは、「暗証番号キー(アナログ)」です。(自動施錠式)

過去10年に物件の玄関にていろいろな鍵を試してみました。

その中でも、管理のしやすさで総合的に評価できるのが「アナログ式の暗証番号キー」です。

ボタンをポチポチと押して開錠するタイプの鍵ですね。

自動施錠式なら「カギの閉め忘れ」もありません。

また、暗証番号の変更が簡単なモデルもあります。

カードキーのように紛失することもありませんし、電池切れで入居者から呼び出されることもありません。

玄関の暗証番号キーの写真画像

簡単に暗証番号を変更できる玄関カギも販売されている

キーレックス(長沢製作所)

 

 

おすすめの理由(アナログ暗証番号キー)
  • カギを紛失することがない
  • 壊れにくい
  • 銀行やJR東日本などでも利用されていて信頼性も高い
  • 電池交換が不要
  • 暗証番号の変更も可能
  • 価格が手ごろ

 

参考サイト)
・ディンプルキー
・暗証番号キー
・カードキー
・スマートロック

 

玄関ドア 設置の注意点(シェアハウス)

玄関の写真画像

希望のカギが設置できる玄関ドアを選ぶようにしよう

 

鍵がきまったら、取付けが可能な「玄関ドア」を決めます。

先にドアを決めてしまうと、ドアによっては鍵が取付けられないものもあるので注意が必要です。

逆に、玄関ドアにこだわりがある場合は、そのドアでも設置が可能なカギを選択しましょう。

その場合でも、どのようなカギが取り付け可能か調べてからのほうが安心できます。

 

その他の設備(玄関外部)

「シェアハウスの玄関(外部)」に設置するものとしては、以下のようなものがあります。

 

玄関の外部に設置するもの(シェアハウス)
  • ポスト
  • ゴミ置き場
  • 喫煙所
  • 宅配ボックス

 

●ポスト

集合ポスト:写真画像

 

入居者用のポストを設置します。

基本的には1人1台がいきわたるように設置してください。

入居者の人数が多いシェアハウスは、その分ポストの数も増えますので玄関周りに十分な「スペース」が必要になります。

人数が少ないハウスでは、1台の大きいポストを入居者同士でシェア(共用)するというケースもあります。

しかし、プライバシーの問題もあり玄関スペースがせまい等の例外の措置となります。

 

●ゴミ置き場

物件のゴミ置き場を玄関の近くに設置する場合があります。

その際は、ゴミがあふれたり乱れたりしないようにハウスルールを作成して守ってもらう必要があります。

近隣住民のクレームやトラブルにつながる部分ですので注意しましょう。

 

●喫煙所

建物内を禁煙にしているハウスでは、玄関先に喫煙所をもうける場合があります。

これも近隣の目やクレーム・トラブルにつながる可能性がありますので注意が必要です。

 

●宅配ボックス

入居者が荷物を受け取るための宅配ボックスを設置する場合があります。

これも利用ルールをきちんと決めておかないと、トラブルの原因となるので注意が必要です。

 

玄関の作りかた②「内部編」(シェアハウス)

「玄関の内部」に設置するものとしては、下記のようなものがあります。

 

玄関の内部に設置するもの(シェアハウス)
  • 下駄箱(シューズボックス)
  • カサ立て
  • 掲示板
  • その他

 

●下駄箱(シューズボックス)

シェアハウス:玄関:下駄箱・シューズボックス:写真画像

シェアハウスの下駄箱・シューズボックス

 

シェアハウスの下駄箱はできるだけ大きいものを設置しましょう。

玄関の許すかぎりのスペースを利用し、一人当たりの靴の収納数をできるだけ増やします。

また、下駄箱は必ず「扉付き」のものにしてください。これは、整理整頓の見た目の問題と多くの靴によるニオイの問題を防ぐためです。

銭湯や居酒屋の下駄箱のように一人一人に扉がついているものが理想的です。(鍵はなくてもよい)

通常の下駄箱を設置する場合は、内部を一人一人のスペースがわかるようにきっちりと分け、部屋番号のシール等で場所を明確に示すようにします。

 

●カサ立て

傘カサ立て:写真画像

一人1本ずつ入るものがベスト

 

カサ立ては、1人1本入るものを設置します。

そして、入居者の人数に合わせて設置し、シールなどで「部屋番号」を明記します。

カサ立てが円筒形のような普通のタイプだと、ひとりで2本も3本も入れる人がいるため、ぐちゃぐちゃになってしまいます。

不要なカサや利用者不明のカサなどで雑然としないように、管理者が巡回時にチェックしたり定期的にアナウンスして処分したりすることも必要です。

 

●郵便物

シェアハウスの郵便物:ポケット:写真画像

玄関の内部に郵便物ポケットを設置するハウスもある

 

マンションの一室をシェアハウスにする場合など、スペースが限られて人数分の郵便受けが設置できない場合は、ひとつのポストをシェアして使うこともあります。

このような「共用ポスト」を設置した場合は、玄関内に部屋ごとに「郵便物を入れられる引出しやポケット」などを設置します。(写真)

届いた郵便物は、気が付いた人がまとめて回収し、各入居者に振り分けるようにします。

 

●掲示板

入居者にお知らせするためのホワイトボード、黒板、コルクボードなどを設置します。

ハウスによってはリビングに設置する場合もあります。

ハウスルールや設備点検のお知らせ、イベント告知などに利用します。

また、入居者同士が交流に使えるメッセージボードを別に用意するのもよいでしょう。

 

●管理運営会社用の収納スペース

入居者が使用するトイレットペーパーや洗剤などの共用品は、管理運営会社から提供するのが一般的です。

そのストックや掃除用具などを保管しておく「管理運営会社用の収納スペース」を玄関周りに設置しておくと便利です。

 

●その他

玄関内の照明は、「センサーライト」もおすすめです。(人感センサー)

人の動きを感知して作動するので、照明の消し忘れがなくなり節電効果もあります。

シェアハウスの玄関は、出かけるときに急いでいる入居者もいるため、照明のスイッチがつけっぱなしになることが多いようです。

その点からも、スイッチのオン・オフがわずらわしい玄関の照明は、人の動きを感知して作動する「人感センサーライト」にすると便利です。

玄関の作りかた③ ハウスルール・巡回・セキュリティサービス

ハウスルールと巡回

シェアハウスでは、管理会社が玄関の使い方を契約書やハウスルールで規定していることが多くあります。

これは、ルール化して守ってもらわないと運営に支障がでるということを表わしています。

 

また、ハウスルールを決めても守られなければ意味がありません。

オーナーや管理会社は、スタッフがハウスの案内や巡回の際に下記のような「玄関のチェック」を行うことが重要になります。

 

ハウス巡回時のチェックポイント
  • 玄関のたたきに靴は出ていないか
  • 整理整頓がされているか
  • ポストは乱れていないか
  • ハウスルールは守られているか

 

それでも玄関の空いたスペースに靴や物を置く人は出てきます。

これは、筆者の10年以上のシェアハウス管理経験からも明らかな事実です。

整理整頓された玄関を維持するには、管理者が定期的に巡回して目を光らせ、少しでも乱れたところがあればすぐに対策をすることが重要になります。

また退去時には、靴を置いていかないように退去案内で連絡をしておきましょう。

 

ホームセキュリティサービスの運用は難しい

ホームセキュリティサービス:警備員:イラスト:写真画像

シェアハウス運営でセキュリティサービスを利用することは難しいといえます

 

シェアハウスで「ホームセキュリティサービス(セコム、アルソックなど)」の運用は難しいのが現実です。

他の入居者がいるにもかかわらずセキュリティをかけて外出してしまうと、残った人(在宅者)にセンサーが反応してしまうのです。

かといって、外出するたびに各部屋をまわり、在室かどうか確認するのは大変な手間です。

そのため、シェアハウスでホームセキュリティを導入するのは困難なのです。

 

一部の女性専用物件では、ホームセキュリティサービスを導入しているところがあります。

筆者の経験からすると、どのような運用方法をしているのか気になります。

管理会社の中には、ホームセキュリティサービスがあると言いながら実際には導入していないケースもあるようです。

オーナーは、料金だけ請求されないように注意が必要です。

 

シェアハウス 玄関の「ハウスルール」の作り方(事例あり)

レッドカードを出す女性の写真画像

シェアハウスの玄関は「ハウスルール」で管理することが重要です

 

玄関が乱れてくると、ハウス内の他の場所も乱れてきます。

たとえば、廊下やキッチンなどの共用部の整理整頓にも影響を与えます。

あなたにも経験がありませんか。自分の机の上が雑然としていると、そのほかの部分までだんだんと雑然としてきてしまうことが…。

シェアハウスも同様で、雑然としているのが日常になるとそれに慣れてきてしまい、入居者の意識がうすれて乱れたり汚れたりしてきてしまいます。

入居者が玄関を気持ちよく使えるように、「ハウスルール」を決めて守ってもらう必要があります。

 

ハウスルール(例)
  • 入居者が靴を置いてよいスペース(下駄箱など)を決める
  • それ以外の靴は自室で保管する
  • 玄関に靴を脱ぎっぱなしにしない
  • 共有のサンダルを用意し、全員が利用できるようにする
  • カサ置きの場のルールも決める(1人1本など)

 

実際にあった「玄関トラブル事例」

シェアハウスを管理・運営していると、玄関のトラブルは必ずおこります。

実際に起きた玄関のトラブル事例を2つ紹介します。

 

(事例 1)玄関に靴があふれて大変なことに

大量の靴の写真画像

シェアハウスの玄関は管理しないと靴であふれてしまいます(写真はイメージ)

 

これは筆者がシェアハウスで実際に体験した事例です。(写真はイメージです)

30人以上が生活する大きなシェアハウスで、玄関の「たたき」がとても広いハウスでした。

このハウスの運営当初は現在ほど契約書やハウスルールが明確でなかったため、入居者が「たたき」に靴を脱ぎっぱなしにしてしまっていました。

そのため、まさに「足の踏み場がない」状態におちいっていました。

 

ハウスの入居希望者を案内するときにも支障があり、ハウスの第一印象も悪くなってしまいます。

玄関に張り紙をして注意をうながしましたが、一向に効果がありません。

 

そこで、「ルール違反の靴は期限を決めて処分する」と通告しました。

何日か様子を見てみましたが、玄関の靴の数にあまり変化は見られません。

もうやるしかないと決め、期限がきたときには「たたき」に出ている靴をまとめて別の場所に移動させました。

 

ルールの徹底をうながすのが目的ですから、もちろん本当に処分することはしていません。

しかし、こちらが本気だとわかると、その後は入居者もルールを守ってくれるようになりました。(靴は入居者に返却しました。)

 

靴であふれて足の踏み場もなかった玄関のたたきが、入居者の靴が一切なくなり共用のサンダルだけになったのです。

とてもキレイになって気持ちよかったと同時に、苦労していたのでホッとした気持ちでもありました。

 

シェアハウス:玄関:写真画像

理想的な玄関の状態(実際のシェアハウス)

 

幸い大きなクレームやトラブルにはなりませんでした。

おそらく、玄関の使いにくさやルール違反に困っていた入居者も多くいたのだと思います。

 

今まできちんとした対応を取っていなかった管理側にも問題があります。

ルールを定めても守ってもらわなければ意味がありませんし、管理者があいまいにしているとルールはないものと同じになってしまいます。

 

玄関の靴の管理については、ルール違反の靴の処分や警告などを現在でもおこなっています。

玄関がせまいハウスは、管理会社がちょっと目を離すとすぐに靴が乱れてしまいます。

とくに、下駄箱が小さかったり、一人一人の収納数が少なかったりするハウスでは起こりやすくなっています。

そのため、管理会社として定期的に注意喚起をしたり一部のものを処分したりして、玄関の整理整頓を徹底しています。

 

ハウスが開業してから玄関の管理で苦労しないためにも、リフォーム工事の際に十分な下駄箱スペースを設置することがもっとも重要です。

 

 

(事例 2)近隣からの喫煙クレーム

喫煙タバコ:写真画像

喫煙(タバコ)もシェアハウスの玄関に関係するトラブルです

 

タバコに関するトラブルも経験しました。

そのハウスは建物内を「禁煙」にしており、喫煙は玄関の外でしてもらっていました。

しかし、玄関先で喫煙している入居者に対して、近隣の住人が文句を言うということが起きていました。

その近隣の住人の言い方や態度にも問題があったようなので、半年ほど様子をみていました。

しかし、一向にクレームがなくならず、これ以上問題を大きくしたくはなかったため、喫煙所の廃止を決めました。

 

シェアハウスの玄関は多くの人が出入りするため、近隣からは目立ってしまうことがあります。

近隣の住民の方々に心配をさせないためには、シェアハウスのオープン前にきちんと挨拶と説明を行うことが重要になります。

 

まとめ

シェアハウスの玄関の作り方について見てきました。

多くの入居者が利用する玄関を快適に維持するためには、シェアハウスを企画する段階から考えておく必要があります。

また、「ハウスルール」を作成し、ルール通りに利用されているか定期的にチェックすることも重要です。

 

シェアハウスの玄関の作りかた(まとめ)
  • 先に玄関の鍵を決め、それに合わせてドアを決める
  • 玄関キーはメリット・デメリットを検討して決める
  • 下駄箱はできるだけ大きいものを設置する
  • 喫煙所など近隣とのトラブルに注意する
  • セキュリティサービス(セコムなど)は運用が難しい
  • オープン後は定期的にハウスを巡回してルールを徹底させる

 

Ⓒシェアハウス経営の教科書

 

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