空き家問題の調査結果から「シェアハウス」の活用を考える
築古の建物をシェアハウスにするときには耐震補強工事が重要になる

 

 

空き家情報を扱っているアニスピホールディングスが「空き家問題の実態調査」を実施しました。

所有者は空き家を放置していることには様々な課題を感じており、何らかの形で活用したいと考えているようです。

調査結果の中には「シェアハウス」への言及もあり、空き家の活用としてシェアハウスが有効な手段の一つとなっていることがうかがえます。

 

空き家問題の実態調査の結果を見ながら、シェアハウスとしての活用の可能性について見ていきましょう。

 

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調査結果の概要(空き家問題)

 

この調査は、40代〜70代の空き家所有者108名に対してインターネットを通じて行われました。
調査結果の概要は下記の通りです。
  • 空き家を「活用していない」・・・61.1%
  • 空き家を「シェアハウス」として活用している・・・18.4%
  • 空き家を所有するようになった経緯が「相続」・・・62.0%
  • 解体しようにも費用がかかる」という理由で放置している・・・31.8% 
  • 将来的には「空き家を活用したい」・・・約60%

 

この調査結果から、空き家を活用していない人は、
「主に相続をきっかけに所有した空き家を、解体しようにも費用がかかるという理由等で放置しているが、将来的には何らかの活用をしたいと考えている」
という傾向を知ることができます。

空き家調査とシェアハウスについて

シェアハウスのイメージ:人形:写真画像

シェアハウスの活用事例も

調査結果の中にはとても興味深い内容も含まれていました。
「所有中の空き家を活用している」と回答した方に「現在所有中の空き家をどのように活用しているか、教えてください。(複数回答)」(n=38)という質問には、下記のような結果となっています。
・賃貸物件としての活用・・・52.6%
・物置としての活用・・・44.7%
シェアハウスとしての活用・・・18.4%
・公的活用・・・10.5%
・民泊の経営・・・7.9%
・カフェやギャラリーとしての活用・・・2.6%
・その他・・・13.2%

 

筆者としては「空き家をシェアハウスとして活用している人」が全体の18.4%という結果には少し驚きました。

シェアハウスの企画・管理をしている立場からしても、思った以上に多い数字です。

このコンテンツを見ている方にとっても意外な結果ではないでしょうか。

 

賃貸物件としての活用(シェアハウス以外)が52.6%であるため、一戸建ての空き家はファミリー用の賃貸物件として活用されていると思われます。

シェアハウスよりも活用事例が多いのは当然ですが、一戸建ての賃貸にはデメリットも多いので注意が必要です。

 

空き家活用のメリット・デメリット(シェアハウス)

メリット・デメリットの写真画像

シェアハウス経営にもメリット・デメリットが

 

 

空き家をシェアハウスとして活用する際には、それぞれメリット・デメリットがあります。

 

メリット デメリット 備考
リフォーム工事 コストをおさえられる しっかりとしたプランが必要 家具・家電の準備が必要
入居者募集 ネットで全国から可能 不動産仲介会社に依頼できない 仲介手数料が不要
入居者契約 定期借家契約で退去がスムーズ 書面・説明が必須 管理会社に一任できる
差別化 コンセプトの設定が可能 入居者の層を絞る 事前の調査が重要
原状回復工事(個室) 通常は必要ない クリーニング費用は取れない 退去後すぐに募集が可能
滞納・訴訟・明け渡し 居座りや訴訟はほとんどない 定期借家契約が必要 不良入居者の排除が可能
物件の管理 管理会社に一任できる 管理費が高い
トラブル対応も一任できる

 

 

総務省が令和元年9月30日に公表した「平成30年住宅・土地統計調査」によると、日本の総住宅数6,240万7,000戸に対して、空き家数は848万9,000戸、空き家率は13.6%となっています。

人口が減っているのにも関わらず、総住宅数は増え続けており、総住宅数・空き家数・空き家率共に過去最大の数値となっています。

 

このような状況でも、シェアハウスとしてリフォーム工事することによって空き家を活用することが可能になります。

 

オーナーは建物を維持しながら家賃収入を得ることができ、老朽化した建物のメンテナンスや固定資産税の支払いに悩む必要もなくなります。

リフォーム工事等の費用は、土地や建物を担保にして金融機関から融資を受けることも可能です。

空き家を活用したシェアハウスの事例も増加中

シェアハウスの間取りのイラスト画像

シェアハウスの間取り(事例)

「空き家をシェアハウスとして活用している」人が18.4%いるという調査結果が示すとおり、シェアハウスの事例は現在も増え続けています。
下記のような事例が実際に多くあります。

シェアハウスの事例

 

  • 相続した実家
  • なかなか借り手がつかない戸建て
  • 閉鎖した下宿
  • マンションのオーナー住居部分
2019年に建築基準法が改正され、戸建てをシェアハウスに転用しやすくなりました。
また東京都ではシェアハウスに関する規制が緩和され、既存の建物を活用しやすい環境が整っています。
空き家をシェアハウスとして活用した事例は、下記のコンテンツで詳しく解説しています。
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