空き家情報を扱っているアニスピホールディングスが「空き家問題の実態調査」を実施しました。
所有者は空き家を放置していることには様々な課題を感じており、何らかの形で活用したいと考えているようです。
調査結果の中には「シェアハウス」への言及もあり、空き家の活用としてシェアハウスが有効な手段の一つとなっていることがうかがえます。
空き家問題の実態調査の結果を見ながら、シェアハウスとしての活用の可能性について見ていきましょう。
調査結果の概要(空き家問題)
- 空き家を「
活用していない」・・・61.1% - 空き家を「シェアハウス」として活用している・・・18.4%
- 空き家を所有するようになった経緯が「相続」・・・62.0%
- 「
解体しようにも費用がかかる」という理由で放置している・・・31.8% - 将来的には「空き家を活用したい」・・・約60%
空き家調査とシェアハウスについて
・物置としての活用・・・44.7%
・シェアハウスとしての活用・・・18.4%
・公的活用・・・10.5%
・民泊の経営・・・7.9%
・カフェやギャラリーとしての活用・・・2.6%
・その他・・・13.2%
筆者としては「空き家をシェアハウスとして活用している人」が全体の18.4%という結果には少し驚きました。
シェアハウスの企画・管理をしている立場からしても、思った以上に多い数字です。
このコンテンツを見ている方にとっても意外な結果ではないでしょうか。
賃貸物件としての活用(シェアハウス以外)が52.6%であるため、一戸建ての空き家はファミリー用の賃貸物件として活用されていると思われます。
シェアハウスよりも活用事例が多いのは当然ですが、一戸建ての賃貸にはデメリットも多いので注意が必要です。
空き家活用のメリット・デメリット(シェアハウス)
空き家をシェアハウスとして活用する際には、それぞれメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット | 備考 | |
リフォーム工事 | コストをおさえられる | しっかりとしたプランが必要 | 家具・家電の準備が必要 |
入居者募集 | ネットで全国から可能 | 不動産仲介会社に依頼できない | 仲介手数料が不要 |
入居者契約 | 定期借家契約で退去がスムーズ | 書面・説明が必須 | 管理会社に一任できる |
差別化 | コンセプトの設定が可能 | 入居者の層を絞る | 事前の調査が重要 |
原状回復工事(個室) | 通常は必要ない | クリーニング費用は取れない | 退去後すぐに募集が可能 |
滞納・訴訟・明け渡し | 居座りや訴訟はほとんどない | 定期借家契約が必要 | 不良入居者の排除が可能 |
物件の管理 | 管理会社に一任できる | 管理費が高い | トラブル対応も一任できる |
総務省が令和元年9月30日に公表した「平成30年住宅・
このような状況でも、シェアハウスとしてリフォーム工事することによって空き家を活用することが可能になります。
オーナーは建物を維持しながら家賃収入を得ることができ、老朽化した建物のメンテナンスや固定資産税の支払いに悩む必要もなくなります。
リフォーム工事等の費用は、土地や建物を担保にして金融機関から融資を受けることも可能です。
空き家を活用したシェアハウスの事例も増加中
シェアハウスの事例
- 相続した実家
- なかなか借り手がつかない戸建て
- 閉鎖した下宿
- マンションのオーナー住居部分