このコンテンツでは、女性だけが生活する「女性専用シェアハウス」を運営する際の具体的な注意点についてお伝えしています。(オーナー・管理会社向け)
シェアハウスの中には、「女性専用」の物件も多くあります。
女性に人気の住まい方であることもあり、このことは運営するオーナーや管理会社にとっては嬉しいことです。
このコンテンツを読むことで、「女性専用シェアハウス運営」のメリット・デメリットがわかります。
10年以上のシェアハウスの運営・管理の経験がある筆者がわかりやすく解説します。
入居者とむすぶ賃貸借契約書・ハウスルールのサンプル文も掲載していますので、すぐに活用することができます。
目次(もくじ)
「女性専用シェアハウス」にするかどうかを判断するポイントは「優先順位」にある
女性だけのシェアハウスはメリットもデメリットもあります。
判断する際には、「どのようなシェアハウスを運営したいのか」をまず確認する必要があります。
下記のポイントをチェックしましょう。
- 安全性(セキュリティ)
- 入居者の交流
- オーナー・管理会社の方針
- 安易な変更は難しい
安全性(セキュリティ)
女性専用にすることで安心感を与えることができます。
男性とのトラブルがないことをアピールできます。
入居者の交流
シェアハウス内では女性同士の交流のみになります。
男性を含めた幅広い交流はできません。
オーナー・管理会社の方針
オーナーの希望や管理会社の方針で女性専用シェアハウスにするケースもあります。
その際にも、近隣のシェアハウスの状況を調査して需要を確認することが重要です。
安易な変更は難しい
女性専用シェアハウスから男女ミックスのシェアハウスに変更したり、その逆をしたりする場合には様々な問題を解決する必要が出てきます。
技術的には可能ですが、時間や費用が必要になるので「安易な変更」をすることは避けたほうがよいでしょう。
上記のポイントを総合的に考慮して「女性専用シェアハウス」の運営を検討することが重要です。
女性専用シェアハウス運営の「メリット」
- 初めてシェアハウスに入居する女性を募集しやすい
- 女性だけの解放感がある
- 男性とのトラブルがない
- 女性に特化したイベントやパーティーを開催できる
初めてシェアハウスに入居する女性を募集しやすい
シェアハウスに入居希望の女性の中には、共同生活に不安がある人もいるでしょう。
女性だけの安心感を募集に生かすことができます。
「女性だけ」の解放感がある
女性にとってはハウス内で男性の目を気にしなくてよくなります。
たとえば、ハウス内での服装や洗濯物にも必要以上に気をつかうことがなくなります。
また、女性の友人を見つけやすいこともメリットです。
女性が好む趣味がある人と仲良くなることもできます。
男性とのトラブルがない
ハウス内での恋愛やトラブルを避けることができます。
宿泊のルール違反も起きにくいでしょう。
(ただし、女性同士のトラブルの可能性は避けられません。)
女性に特化したイベントやパーティーを開催できる
女性に人気の趣味イベントや女性限定のパーティーを開催できます。
たとえば、料理、アクセサリー教室、お茶会など。
SNSでの話題としても期待ができ、シェアハウスの口コミにもつながります。
女性専用シェアハウス運営の「デメリット」
- 入居者募集に工夫が必要になる
- 管理・清掃スタッフを女性にする必要がある
- 女性同士のトラブル
- 幅広い交流ができない
- ハウス管理の要求レベルが高い
入居者募集に工夫が必要になる
男性を募集することができないため、女性に特化して集客をしなければなりません。
ポータルサイトや自社サイトでの差別化が必要になります。
管理・清掃スタッフを女性にする必要がある
基本的には女性の管理・清掃スタッフをおく必要があります。
人手不足だと確保するのが難しいことがあります。
女性同士のトラブル
女性専用シェアハウスでもときにはトラブルが起こります。
実際にあった一例としては、ドライヤーの音の苦情や落ちた髪の毛の清掃トラブルなどがあります。
幅広い交流ができない
ハウス内でなかよしグループができて狭い交流になることがあります。
また、男性の入居者との交流がなく、男性が参加するイベントやパーティーの企画も難しくなります。
ハウス管理の要求レベルが高い
女性は男性とくらべて住まいに対するこだわりが高い場合があります。
具体的には、内装、設備、家具、家電、備品などへの配慮が必要です。
家賃や他のシェアハウスと比較をされる可能性があります。
オーナー・管理会社の注意点(女性専用シェアハウス)
- 立地と需要のチェック
- 間取り・内装
- 家具・家電・設備
- 女性の管理・清掃スタッフ
- 途中から女性専用にすることもできる
立地と需要のチェック
女性に人気のないエリアでは運営が困難になります。立地と女性の需要があるかどうかを調査しましょう。
最寄り駅からハウスまでの道に人通りが少なかったり、道が細くて暗く路地が多かったりする場合は、女性専用の立地としては厳しくなります。
また、近隣に女性専用シェアハウスがあるかどうかも調査します。
具体的には、ポータルサイトや管理会社のサイトから物件や入居率などを確認してみましょう。
間取り・内装
女性の入居者が住みやすく交流がしやすい間取りをつくりましょう。
たとえば、キッチン、リビングなどの共用部は十分な広さを確保します。
壁紙や照明なども女性に人気があるものを調査して設置するとよいでしょう。
また、トイレやお風呂、洗面などの水回り設備は十分な数を設置しましょう。
共有部や共有設備の使い勝手が悪いと、女性の満足度が低下して入居率や入居期間に影響をあたえます。
家具・家電・設備
ハウス内に設置する家具、家電も女性を意識したものを設置しましょう。
たとえば、女性に人気のある色、形、機能などを選びます。
また、その他の備品や消耗品にも気をつけてください。
運営側としては、安さだけを追求するのではなく、女性から見た使いやすさも考慮しましょう。
女性の管理・清掃スタッフ
女性専用シェアハウスの管理・清掃は、女性のスタッフが行うことが基本です。
早めに人員の確保を行いましょう。
しかし、人手が確保できない場合は男性スタッフを活用することもやむを得ません。
その場合は、入居者に事前にきちんと説明する必要があります。
物件の案内時や契約前にしっかりと伝えましょう。
契約後や入居後に初めて知るとびっくりしますし、場合によっては退去や悪評につながりかねません。
途中から女性専用に変更することもできる
運営している男女ミックスのシェアハウスを途中から女性専用に変更することも可能です。
ただし、特別なノウハウが必要になります。
(女性専用シェアハウスに変更するノウハウの詳細は、別の記事で解説する予定です。)
賃貸借契約書・ハウスルール(サンプル例)
第○○条 乙は、契約者以外の者を本物件内に立ち入らせてはならない。
第○○条 乙は、鍵の暗証番号を他者に教えたり鍵を貸与したりしてはならない。
事例紹介(女性専用シェアハウス)
筆者(男)は、10年以上シェアハウスの運営・管理にたずさわってきました。女性専用ハウスの管理の経験もあります。
入居希望者からのメールお問い合わせ、ハウスの見学、契約もすべて自分で行なっていました。
管理や清掃のスタッフには男性もいましたが、事前にきちんと説明して納得をしていただければ問題ありませんでした。
男性スタッフがハウスの管理をする場合には、ハウス内に立ち入ることも当然あります。
男性の目があることで、モラルやハウスルールの順守に結びついた面もあったと思います。
たとえば、このシェアハウスでは入居者の女性たちが下着姿でウロウロする、ということがありませんでした。
こういった毎日の生活習慣の積み重ねが、ハウス内のモラルに大きく影響してきます。
また、女性同士のトラブルがあったときには男性スタッフが頼りにされるという側面もありました。
スタッフが男性かどうかということ以上に、「しっかりと運営・管理の体制がとられているか」が重要となります。
まとめ
シェアハウスを女性専用にするかどうかは、まずは「どんなシェアハウスにしたいのか」を考えることが重要です。
そのうえで、メリット・デメリットを考慮して決定しましょう。
- シェアハウス運営に対する「優先事項」を明確にする
- 女性専用のメリット・デメリットを確認する
- 運営・管理の注意点を確認する
- 運営途中からの変更は独自のノウハウが必要になる
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