シェアハウス経営【立地の3つのポイント】事例で解説します
シェアハウス投資・経営の「立地」のポイント

 

シェアハウスも賃貸住宅ですので、その経営には「立地」が重要になります。

しかし、シェアハウス運営の経験がないと入居者の正確なニーズを把握することは難しいですよね。

 

このコンテンツでは、シェアハウスの立地と条件について解説しています。

シェアハウスに適した立地を把握することで、将来的にも安定した運営が可能になります。

 

立地のポイントだけでなく、それ以外の考え方やアイデアについても具体的に紹介しています。

シェアハウスの管理会社で10年以上の経験がある筆者が、事例をもとにわかりやすくお伝えします。

 

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シェアハウスに適した「立地」とは

 シェアハウスも賃貸住宅ですので、「立地」が重要になります。

とくに20代~30代の入居者がもっとも多いので、以下のような利便性が問われます。

(東京都23区の事例をご紹介します。)

 

  • ターミナル駅から電車で20分くらいまで
  • 最寄り駅から徒歩10分まで

 

 ターミナル駅まで20分の利便性が重要 

新宿駅の写真画像

新宿などのターミナル駅まで電車で20分までの立地が理想

 

 

シェアハウスの入居者は社会人(フリーターを含む)が中心で、日中は仕事をするためにオフィスへ通勤する人が多くいます。

そのため、シェアハウスの最寄り駅から主なターミナル駅までの距離や乗車時間が短く、「利便性」が重要になります。

たとえば、東京23区であれば、東京駅、上野駅、池袋駅、新宿駅、渋谷駅などの「ターミナル駅」への利便性がポイントです。

最寄り駅からターミナル駅まで、電車で20分くらいが目安になります。

仮に、ターミナル駅まで30分以上かかる物件だと、周辺のワンルームアパートの賃料と競争になります。

シェアハウスの賃料も下げざるをえず、収益力に影響を及ぼします。

また、通勤時間が長くなるとシェアハウスに暮らすことの魅力が半減するため、入居期間が短くなったり空室率が高くなったりする可能性があります。

 

最寄り駅から徒歩10分以内の利便性が重要

横断歩道を渡る人々の写真画像

最寄り駅からは徒歩10分くらいまでの立地がよい

 

最寄り駅からシェアハウスまでは、徒歩10分以内が理想です。

都心部へ通勤する入居者が多いため、最寄り駅までの距離も重要になります。

当然ながら、駅まで近ければ近いほど賃料も高く設定することができ、多少の悪条件であっても許容できてしまいます。

たとえば、帖くらいの少し狭い部屋や、線路に近く騒音が気になる物件でも高い入居率を維持することが可能になります。

このあたりの条件は、一般のアパート・マンションとそれほど変わりません。

人気の駅や街であったり、入居者を引き付ける独自のコンセプトがあったりすれば別ですが、そうでない場合は「駅の利便性」はシェアハウスの経営に大きな影響を及ぼします。

 

(参考)
シェアハウスの市場規模と立地特性~東京都区部ではターミナル駅まで15分前後の駅周辺に多い傾向~ (三井住友トラスト基礎研究所)
https://www.smtri.jp/report_column/report/pdf/20180219_report.pdf

 

シェアハウスに適さない「立地」

レッドカードを出す女性の写真画像

シェアハウスに適さない立地を確認しよう

 

通勤の利便性が悪い立地は、基本的にシェアハウス経営には向いていません。
(東京の都心部を想定しています。)

 

  • 電車が各駅しか停まらず、ターミナル駅まで30分以上かかる
  • 駅から徒歩10分以上かかる
  • 駅からバスを利用する
  • 物件に自転車置き場がない

 

運営が破たんした「かぼちゃの馬車」の物件では、人気のない駅から徒歩10分以上の物件が数多くありました。

物件を所有しているオーナーや管理を引き継いだ業者は、その立地条件によって入居者の募集に今でも苦労していると推測できます。

このような事例も参考にして、シェアハウスの立地を検討する必要があります

 

(参考)駅から徒歩14分のシェアハウスの事例(足立区)

 

その他の立地条件

立地が多少わるくても、条件によってはシェアハウスの運営が可能になるケースがあります。

 

  • 若者に人気の駅や街
  • 独自のコンセプトがあるシェアハウス

 

たとえば、東京の「下北沢」や「吉祥寺」など若者に人気のあるエリアであれば、多少の利便性の悪さは問題になりません。

徒歩15分前後の立地でもシェアハウス運営の可能性が高まります。

また、入居者を引き付けるような「特徴的なコンセプト」を設定したシェアハウスであれば、その魅力で立地条件をカバーできる可能性があります。

たとえば、ペット可の物件やシングルマザー専用など、通常のシェアハウスとは異なる独自の入居者募集ができます。

 

立地を補うアイデア例

アイデアをイメージしたカラフルな色の写真画像

アイデアで立地をカバーできる場合もある

 

 

立地が思わしくない場合でも、その他のアイデアで立地条件を補うことができる場合があります。

いくつかのアイデアをまとめてみました。

 

  • コンセプト
  • 外観・内装
  • 自転車・バイク・駐車場

 

コンセプトのあるシェアハウス

コンセプトを設定したシェアハウスも増えています。(事例)

 

  • ペット可・ペット共生型
  • シングルマザー専用
  • アウトドア好きのためのシェアハウス
  • ゴルフ好き(練習場あり)
  • 料理好き(本格的な調理設備あり)
  • 英会話が学べる

 

外観・内装にこだわったシェアハウス

  • トレーラーハウスを利用
  • アンティーク家具を設置
  • 女性専用・美容家電が充実
  • 和室・縁側・茶室あり

 

自転車・バイク・駐車場

  • 入居者の人数分の自転車置き場を完備
  • 入居者が利用できるシェア自転車を設置
  • バイク置き場のあるシェアハウス
  • 駐車場付きのシェアハウス

 

上記のアイデア以外でも、若者や入居者の需要をつかむことができれば、立地条件の悪さを補うことができるかもしれません。

立地に難がある場合は、サービスやソフト面でのアプローチも検討してみてください。

 

コンセプト・アイデアを設定する場合の注意点

シェアハウスにコンセプトを設定しても、その魅力が入居希望者に伝わらなければ募集や運営をスムーズに行うことはできません。

とくに、立地条件をカバーする目的でコンセプトを設定する場合には、しっかりとした戦略が重要になります。

需要マーケティング、サイト運営、広告、SNS発信など、物件の企画段階からの準備が必要です。

また、入居者がコンセプトを十分に楽しめるように運営管理をする必要があります。

設備を提供するだけでなく、イベントの開催や交流を促す仕組みを構築し、ソフト面の充実をはかることが重要です。

 

コンセプトシェアハウスの事例

2020年3月に誕生した足立区のシェアハウスの事例を見てみましょう。

昭和52年築の全10棟、1374戸からなる大規模団地の一部をシェアハウスとして活用しているとのこと。

「読む団地」と称し、共用リビングに1,000冊の本を置いて住人の交流を促しています。

 

この物件の立地を見てみると、一般的なシェアハウスとしては利便性が劣ります。(下記)

・JR常磐線(東京メトロ千代田線直通)「亀有駅」 から徒歩18分、またはバス3分 徒歩3分
・東京メトロ千代田線「北綾瀬駅」 から徒歩14分

最寄り駅からの距離があるので、通勤に便利な物件を探している人には不向きといえます。

逆に、物件コンセプトに合致し、在宅勤務の人には魅力的な物件となるかもしれません。

 

団地にできた1000冊の本がある「シェアハウス」。暮らしをのぞいてみた!

 

まとめ(シェアハウスの立地・条件)

シェアハウスの立地は、基本的にアパートやマンションとそれほど大きな違いはありません。

入居者のターゲット層にとっての利便性が重要になります。

また、どんなに立地が良くても「住みにくい」物件では入居率が安定しません。

立地だけでなく、生活しやすい間取りやトラブルの少ない管理運営がポイントになります。

 

シェアハウスの立地・条件(まとめ)
  • ターミナル駅まで電車で20分以内
  • 最寄り駅まで徒歩10分以内
  • 立地条件をカバーできる可能性があるアイデアもある
  • コンセプト付きの物件は戦略が重要になる

 

Ⓒシェアハウス経営の教科書

 

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