シェアハウスは共同生活ですので、入居者同士のトラブルが起こることもあります。
オーナーや管理会社としては、悩ましい問題ですよね。
このコンテンツでは、シェアハウスでいちばん多い「音の問題」の対策について解説しています。
事前に対策をしておくことで、音の問題の発生を減らしたりスムーズに対応できるようになったりします。
10年以上シェアハウスの運営・管理にたずさわってきた筆者が、実際にシェアハウスで起こった騒音の事例を交えて解説しています。
「賃貸借契約書」や「ハウスルール」のサンプル文も掲載していますので、すぐに活用することができます。
目次(もくじ)
シェアハウスの騒音対策は「ハード」と「ソフト」の両面でおこなう
シェアハウスの運営・管理を行うときには、あらかじめ「騒音対策」を考えておく必要があります。
その理由は、入居者からの苦情(クレーム)の中でいちばん多いのが「音」に関するものだからです。
シェアハウスの騒音対策は、「ハード面 (建物・間取り)」とソフト面(契約書・ハウスルール)」の両面で行います。
騒音対策 (ハード面)
シェアハウスを企画する際には、共用部(設備)と個室の「配置」に気をつける必要があります。
リビング、キッチン、トイレ、シャワー室、洗面所などの共用部は、利用者が多いため音が出やすいといえます。
たとえば、個室と洗面所の距離が近いとドライヤーの音が気になるかもしれません。
そのため、シェアハウスの間取りを考えるときには、「共用部・設備」と「個室」の位置関係をよく考えましょう。
実際のシェアハウスの間取の事例をのせておきます。
△音のクレーム(苦情)が出やすい間取り
〇音のクレーム(苦情)が出にくい間取り
また、隣接する個室どうしの音の対策も必要になります。
建築やリフォーム工事の際に、部屋と部屋を仕切る「壁」を必要以上に薄くすることは避けましょう。
最低でも通常の住宅の壁の厚さは確保しましょう。
騒音対策 (ソフト面)
入居者とむすぶ賃貸借契約書やハウスルールで音のクレーム(苦情)を未然に防ぐようにします。
- 賃貸借契約書にしっかりと記載しておく
- ハウスルールにも補足して記載する
上記をオーナーや管理会社が入居者との契約時にきちんと説明する必要があります。
シェアハウスで騒音対策をする理由は「音のトラブルがいちばん多いから」
シェアハウスは共同生活ですので時にはトラブルも起こります。
筆者は、10年以上シェアハウスの運営・管理にたずさわってきました。
その経験からしても、「騒音」のトラブルがいちばん多いといえます。
騒音がトラブルになる理由のひとつは、音が目に見えないからです。
そのため、音を出している本人は自分が他人に迷惑をかけていることに気づいていない場合があります。
誰かに指摘されたり管理会社に注意されたりして、ようやく気付く場合も多いのです。
シェアハウスの騒音トラブルの事例
事例 1 パーティー
シェアハウスでは、入居者同士で飲み会やパーティーを開催することがあります。
これはシェアハウスの魅力のひとつでもあるのですが、盛り上がって騒ぐとクレーム(苦情)になってしまいます。
たとえば、パーティーに参加していない入居者の個室にまで声や音が聞こえたり、周辺住民から苦情がきたりしてしまいます。
事例 2 電話・話し声(廊下など)
共用部での話し声もクレーム(苦情)につながる場合があります。
たとえば、玄関・廊下・階段などで電話したり、入居者同士で話していたりすると、その声が他の入居者の迷惑になることがあります。
事例 3 目覚まし時計が…
これもシェアハウスで実際にあった事例です。
ある入居者の個室でずっと目覚まし時計が鳴っていて、隣の部屋の住人から管理会社に苦情がきました。
問題の部屋の入居者は外出してしまっていたので、本人が帰宅するまで音は鳴りやみませんでした。
事例 4 早朝・深夜
また、早朝と深夜は音が響きやすく、クレーム(苦情)になる可能性も高くなります。
実際に下記のようなトラブルが起こります。
- 洗面所(共用部)のドライヤーの音がうるさい
- 洗濯機(共用部)の音がうるさい
シェアハウスの騒音トラブル対策(契約書・ハウスルールのサンプル)
具体的な騒音の対策方法として、賃貸借契約書とハウスルールのサンプル文をご紹介します。
4-1 賃貸借契約書のサンプル
第●条(禁止事項)
乙は、本物件の使用にあたり、次に掲げる行為をおこなってはならない。
大声で話したり、騒いだり、テレビ等で大音量を出したりすること。
他の入居者や近隣の迷惑となる行為や、争いごとになる行為をすること。
4-2 ハウスルールのサンプル
廊下の足音、深夜の物音、室内での電話に注意すること。ドアの開閉は静かにおこなうこと。
他の入居者および近隣の居住者に迷惑や不快の念を抱かせる行為をしないこと。
ステレオ、テレビ、その他の音量は、周囲に迷惑がかからない程度におさえること。
まとめ(シェアハウスの騒音対策)
- シェアハウスの騒音は「ハード」と「ソフト」の対策が必要
- 音のクレーム(苦情)がいちばん多い
- 建物やリフォーム工事で「ハード」の対策をする
- 契約書とハウスルールで「ソフト」の対策をする
- きちんと対策をしておけば、騒音問題にスムーズに対応ができる
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