
シェアハウスを企画する際には、「該当する自治体の条例」があるか確認をする必要があります。
たとえば、東京都練馬区にはシェアハウスを規制する条例があります。
練馬区では「まちづくり条例」の一部が改正され、令和2年(2020年)4月1日から施行されています。
この「練馬区まちづくり条例」の中では、シェアハウスに関する規制が強化されています。
練馬区のシェアハウス規制とは、どのような内容のものなのでしょうか。
このコンテンツでは「練馬区まちづくり条例」について、シェアハウス部分の内容を解説しています。(区役所:都市計画課 への取材あり)
オーナーや管理会社が条例を理解することで、練馬区にてシェアハウスを企画したり運営したりする際にスムーズに計画をすることができます。
シェアハウスの管理会社に10年超の勤務実績のある筆者が、わかりやすくお伝えします。
目次(もくじ)
練馬区の条例改正の概要(シェアハウス)
近年、シェアハウスが練馬区内でも増えているためか「練馬区まちづくり条例」の改正により規制が強化されています。
シェアハウスを含む寄宿舎(※)について、一定の居住水準を確保するとともに、周辺に配慮した建築がされるように条例の規制対象に加えています。
※寄宿舎とは
つぎのいずれにも該当する集合住宅(建築基準法に基づく児童福祉施設等、老人福祉法・障害者総合支援法に基づくグループホームは対象外)
① 40㎡未満の住室(居室を有し、台所、便所または浴室(シャワー室を含む。)の設備を有しない他と区画された部分)を2室以上備えていること。
② 共用部分(共用設備(共用の食堂、台所、便所、洗面設備、洗濯室および浴室(シャワー室を含む。))、玄関、廊下、階段等の建築物の部分)を
備えていること。練馬区まちづくり条例の改正内容について より引用
1. 寄宿舎の定義づけ
2. 特定用途建築物の建築手続が必要
3. 整備基準を定める
それでは、練馬区のシェアハウス規制の詳細について見ていきましょう。
練馬区のシェアハウス規制(詳細)
専用床面積40平方メートル未満の住室が2室以上の寄宿舎(シェアハウス)が対象となる
特定用途建築物の建築手続が必要(シェアハウス)
整備基準が適用される(シェアハウス)
項 目 | 条例改正内容 | 備 考 |
住室の床面積 | 12平米以上(約8畳)とする | ベランダ等は含まない |
共用部の水回り設備の数 (トイレ・洗面所・浴室orシャワー室) |
住室数×1/5以上を設置する | 例:15室なら各設備を3個ずつ設置する |
車寄せの設置 | 住室数が15以上の場合に設置する | 面積等の基準あり |
駐車施設の設置 | 自転車:住室数と同じ台数以上設置する (1台につき幅0.5m以上、奥行き2m以上) |
原付バイク駐車場:自転車の台数の1/10以上を設置する |
ゴミ置き場等 | 廃棄物保管場所等・集積場所について規制 | 練馬区の条例・規則で定めるもの |
管理に関する基準がある(シェアハウス)
- 物件の巡回頻度・駐在時間等
- ゴミの分別
- 騒音・迷惑行為をしない
- 危険物を持ち込まない
- 他
管理人室の設置
15室以上の建物には「管理人室」を設置しなければなりません。
14室以下の建物は不要です。
連絡先等の設置
- 連絡先等を記載した「表示板」を設置すること。(区が定める様式による)
- 管理人の氏名、緊急時の連絡先を記載したものであること。
- 他
窓口 (寄宿舎など): 都市整備部 開発調整課
東京都建築安全条例(シェアハウス)について
東京都は、2015年に「東京都建築安全条例」を改正しました。
戸建て住宅等を利用したシェアハウスなどの新たな住まい方の増加にともない、既存の建物の活用を可能とする法改正(建築基準法など)がなされています。
戸建て住宅と同様の形態のシェアハウスや、マンションの一住戸をシェアハウスとして利用するもの等の多様な住まい方に対応できるよう、「窓先空地」を不要にするなど、規模や形態に応じたきめ細かい基準になっています。
今回の練馬区の条例改正案は、この東京都建築安全条例の規制をさらに強化した内容になっています。
(参考)東京都建築安全条例
◆ 見直しの考え方(392KB)
◆ 東京都建築安全条例 新旧対照表(149KB)
◆ 「平成27年改正東京都建築安全条例」に係る質疑応答集(Q&A)(152KB)
台東区の条例(シェアハウス:寄宿舎)
東京都台東区もシェアハウス(寄宿舎)に関する条例があります。
詳細は、下記から確認してください。
まとめ(練馬区のシェアハウス条例)
シェアハウスの企画・運営をする際には、東京都建築安全条例だけでなく「各自治体の条例」をチェックすることが重要です。
運営予定の地区に適用される条例があるかどうか、最新の情報を確認してください。
- シェアハウスを含めた寄宿舎に関する規制が強化されている
- 住室の最低床面積が「12平米」に規制されている
- 近隣への周知や整備基準を定めている
- 2020年4月から施行されている
Ⓒシェアハウス経営の教科書
【 関連コンテンツ】