シェアハウス運営 「年齢制限」は必要か/メリット・デメリットを解説します(取材あり)
シェアハウス入居者の年齢制限のメリット・デメリット

 

このコンテンツでは、シェアハウスの運営・管理における「入居者の年齢制限」について解説しています。

オーナーや管理会社が運営するシェアハウスに応じて、年齢制限の有無などを検討する際の参考になると思います。

 

シェアハウスは共同生活ですので、オーナーや管理会社にとっては、入居者の年齢層や世代ギャップによるトラブルが起きないか不安もあると思います。

シェアハウス(入居者)の年齢制限については、物件のコンセプトやターゲットによって決めていく必要があります。

 

実際の物件の中には、年齢制限をしているシェアハウスもあります。

しかし、シェアハウスで年齢制限をするかどうかには「正解」はありません。

 

このコンテンツでは複数のシェアハウスの管理会社に「実際に取材した内容」も載せています。

シェアハウスの運営・管理に10年以上たずさわっている筆者が、「年齢制限」についてわかりやすくお伝えします。

 

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シェアハウス(入居者)の年齢制限を決めるポイント

注意を促す人の写真画像

シェアハウスの年齢制限をするかどうかのポイントをおさえよう

 

シェアハウスの運営・管理において年齢制限をもうける際のポイントを見ていきましょう。

 

物件の「コンセプト」を設定するか

シェアハウスに「コンセプト」を設定する場合は、先に決めておきます。

たとえば、「女性専用のシェアハウス」や「プログラマーが集まるシェアハウス」などです。

このコンセプトの内容によって、年齢制限をもうけるかどうかを決めていきます。

 

ターゲットとする入居者の年齢層をどうするか

企画するシェアハウスの「ターゲットとなる年齢」を検討します。

一般的なシェアハウスの入居者の年齢層は、20代~30代です。

 

ターゲット層は、オーナーや管理会社の方針を反映させることができます。

たとえば、シェアハウスに年齢制限を設ける場合は下記のように設定することがあります。

 

  • 20歳~29歳まで
  • 20歳~39歳まで

 

未成年も契約できるようにするか

未成年者をシェアハウスに入居させる場合は、基本的には「親権者」と契約します。

契約書の「入居者」の欄には、実際に生活する未成年者の氏名を記入します。

 

未成年者と直接契約することもできますが、親権者の「同意書」が必要になります。

いずれにしても「親の同意」をとらなければなりません。

 

あらかじめ条件を決めておくとよいでしょう。

たとえば、「18歳以上」や「18歳以上・高校卒業済み」など。

 

2022年4月からは民法が改正され、18歳以上が成人となります。

親権者の同意なしに賃貸借契約が結べるようになりますので注意が必要です。

 

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40代以上も契約できるようにするか(年齢制限なし)

40歳以上も入居することができるようにする場合は、シェアハウスでは実質的に「年齢制限なし」といってもいいでしょう。

その際は、年齢制限がないことをネットや問い合わせ時にアピールするようにします。

 

シェアハウスの年齢層のメインは20代~30

女性:3人:ピース:40代?:写真画像

20~30代がシェアハウスのメインターゲット層といえる

 

シェアハウスに入居する人の年齢層の割合は、20代~30代が中心です。

また物件や管理会社の方針によっても異なります。

大学生や専門学校生からフリーター、派遣社員の人もいます。もちろん正社員の人もいます。

 

年齢制限のない物件では、40代以上の入居者もいます。

色々な年齢や世代の人が共同生活をするのもシェアハウスも魅力のひとつです。

 

このような状況をふまえて、あなたが運営するシェアハウスの年齢層や年齢制限を決めなければなりません。

 

「年齢制限」をもうけているシェアハウス物件もある(取材あり)

NOを選択するビジネスマンの写真画像

シェアハウスの中には年齢制限を設けているところもある

 

シェアハウスの中には、入居者の年齢制限をしている物件もあります。

制限する年齢はオーナーや管理会社の方針によって異なります。

 

筆者が複数のシェアハウス管理会社に調査した結果、下記のような年齢制限が実際にありました。

 

年齢制限 備考
S社 なし ポータルサイトの表記は間違い?
G社 18歳~39 原則は40歳の誕生日で退去
A社 なし ハウスに合うかどうかを重要視する
O社 20歳(社会人)~35 学生不可

35歳を超えたら退去の契約

 

上限を設定するケースが多く、35歳以下というハウスも少なくないようです。

 

取材してみて気づいた点は、シェアハウスのポータルサイトに「年齢制限あり」と記載されていても、実際に確認してみないとわからないということです。

上記のシェアハウスでも、管理会社に聞いてみると「年齢制限はとくにありません」ということもありました。

 

あなたが自分で調査をするときには、ポータルサイトの掲載内容だけでなく、管理会社に直接きいて確認することも忘れないようにしてください。

 

シェアハウスの年齢層と年齢制限をチェックする方法

パソコンを打つ写真画像

実際にシェアハウスの年齢層と年齢制限を調べてみよう

各シェアハウスの「年齢層」を調査する方法

色々な物件や会社を幅広く調べるには、シェアハウスの「ポータルサイト」を利用するのが便利です。

筆者は、ポータルサイト(6件)で各シェアハウスの年齢層がわかるかどうかをチェックしてみました。

 

しかし、ポータルサイトでは各シェアハウスの年齢層はわかりませんでした。

どのポータルサイトにも各シェアハウスの年齢層がわかる項目の記載はありませんでした。

調べたいシェアハウスの(住人の)年齢層が知りたい場合は、電話やメールで管理会社に直接問い合わせてみる必要があります。

 

 

(参考)

下記のポータルサイトではページ左の「年齢比率」という項目で「30代が入居中」などの検索ができます。

シェアクリップ

https://share-clip.com/a_search/t_%5Bage%5D0+%3E%3D+0+and+3+%3E+0/

 

シェアハウスの「年齢制限」を調査する方法

同じように、ポータルサイトで「年齢制限」がわかるかどうか調査してみました。

その結果、「年齢制限」について絞り込んで検索する機能があるポータルサイトはありませんでした。

ただ、「年齢制限があるかどうか」を掲載しているポータルサイトがありましたので、筆者が参考に調査してみた事例をのせておきます。

 

ゲストハウスバンク

検索エリア:新宿区

件数:66

年齢制限あり:7件(約10%)

 

東京シェアハウス

検索エリア:池袋

件数:71

年齢制限あり:18件(約25%)

 

ポータルサイトやエリアによっても結果に違いがありそうですので、あなたが調べるときにはもう少し範囲を広げた方がよいでしょう。

 

ポータルサイトによっては、各シェアハウスの「入居条件」などの項目をよく見ると、「40歳まで」などの年齢制限を確認できるサイトもありました。

ただ、各物件にどのような年齢制限があるかは、管理会社に確認するのが早いようです。

 

また、ポータルサイトや管理会社のサイトに年齢制限が記載されていなくても、問い合わせの際に年齢を確認したり、やんわりと断るケースもあるようです。

 

シェアハウスの年齢制限 メリット・デメリット

メリット・デメリットの写真画像

年齢制限のメリット・デメリットを確認しよう

 

シェアハウスを企画する際に「年齢制限」を設定するメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

年齢制限ありの「メリット」

  • オーナーや管理会社の方針・コンセプトを反映させることができる
  • 同じ世代なので入居者同士が仲良くなりやすい
  • 入居者の入れ替わりによるハウスの新陳代謝を促せる

 

年齢制限ありの「デメリット」

  • 多様な世代との交流が起きない
  • 入居する年齢によっては長期で契約できない
  • 募集する年齢に制限があるので空室が埋まりにくくなる可能性がある

 

上記のメリット・デメリットをふまえて、シェアハウスのターゲットや年齢制限を設定する必要があります。

 

シェアハウスの年齢制限の表記の方法について

シェアハウスで年齢制限をする際には、入居者にわかるように明示する必要があります。

  • ポータルサイトへの掲載
  • 物件ホームページへの掲載
  • 賃貸借契約書・ハウスルールへの記載

 

ポータルサイトへの掲載

入居者を募集するシェアハウスのポータルサイトに「年齢制限がある」ことを記載します。

各ポータルサイトによって異なりますが、記載する箇所がとくにない場合は「備考」にのせておきましょう。

 

物件ホームページへの掲載

物件や管理会社のホームページがある場合は、「年齢制限」についてわかりやすく掲載しておきましょう。

 

賃貸借契約書・ハウスルールへの記載

入居者と締結する「賃貸借契約書」や「ハウスルール」にも記載しておきます。

たとえば年齢制限が「~35歳まで」の物件であれば、36歳の誕生日をむかえたら退去する、などの文言を盛り込みましょう。

「未成年」の扱いも、方針に沿って記載するようにします。(※今後は18歳以上が成人となるので注意)

また、問い合わせ時や契約までの間のやりとりの時に口頭でも説明するようにします。

 

筆者のシェアハウスの事例(年齢制限なし)

筆者は10年以上のシェアハウス運営・管理の経験がありますが、たずさわったシェアハウスは年齢制限をもうけていません。

物件にもよりますが、18歳~60代までの入居者が現在も生活しています。

 

年齢制限をもうけていない理由は、シェアハウスが「多様な人との生活を楽しむ場所である」という会社の方針だからです。

シェアハウスの最大の特徴は、日常生活の中に色々な人との交流があるということです。

 

この特徴を最大限にいかすには、できるだけ年齢制限をもうけずに多世代が助け合いながら生活をすることだと考えています。

 

たとえば、40代のビジネス経験のある入居者は、20代の入居者に様々なアドバイスができます。

このような交流が自然におこることがシェアハウスの魅力であると考えています。

 

シェアハウスの年齢制限に「正解」はありません。

オーナー・管理会社の方針や、入居者の満足を考えて決めていきましょう。

 

まとめ(シェアハウスの年齢制限)

オーナーや管理会社がシェアハウスの年齢制限を考える際には、「どのようなシェアハウス」を運営したいのかということがポイントになります。

ターゲット層やメリット・デメリットを総合的に考えて決めるようにしましょう。

 

シェアハウスの年齢制限(まとめ)
  • シェアハウスのコンセプトとターゲットを検討する
  • 入居者の年齢層は20代~30代がメインとなる
  • シェアハウスの「年齢制限」のメリット・デメリットを確認する
  • 年齢制限のないシェアハウスは多様な交流が楽しめる魅力がある
  • シェアハウスの年齢制限に「正解」はない
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