建築基準法(改正)シェアハウス規制の緩和について解説します(用途変更 200m2)

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2019年6月に建築基準法(改正)が施行されました。

改正により、規制が緩和されて既存の建物をシェアハウスに転用しやすくなっています。

これはシェアハウスの経営や投資を考えている人にとっても朗報ですよね。

 

このコンテンツでは、建築基準法の改正の中でも「シェアハウス」に関連する部分について解説しています。

また消防法についても一部にて解説しています。

 

シェアハウス20棟・300室の管理と10年超の経験を持っている筆者が、プロの視点から解説します。

あなたの物件がシェアハウスに変更することができるかを見極めるためにも、シェアハウスと共同住宅の違いを確認しつつ、改正された建築基準法を見ていきましょう。

 

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改正 建築基準法の概要(シェアハウスも含む)

今回の法律(建築基準法)の改正では、「既存建築ストックの活用」を促進しています。

空き家の総数がこの20年で1.8倍に増加しているという背景もあり、既存の建物をリノベーションして利用・活用することが重要視されています。

しかし、その活用に当たっては、これまでの建築基準法に適合させるために、大規模な工事が必要となる場合があることが課題となっていました。

そのため、シェアハウスも含めた「新たなニーズ」に対応するために建築基準法を改正し、既存の建物を活用する際の規制を合理化(緩和)しています。

 

改正建築基準法の概要(国土交通省)

 

シェアハウスに関係する「改正 建築基準法」

今回の改正建築基準法でシェアハウスに最も関係するのは、「戸建住宅等の用途変更に伴う制限の合理化」という部分です。

 

空き家等を福祉施設・商業施設等に用途変更する際に、大規模な改修工事を不要とするとともに、手続を合理化し、既存建築ストックの利活用を促進。

 

今回の建築基準法の概要の中でシェアハウスに関連する部分を簡単にまとめると下記のようになります。

 

  • 3階建ての一戸建住宅を特殊建築物(シェアハウスを含む)にする場合に、耐火建築物にしなくてもよい
  • 用途変更に伴う建築確認は、延べ面積200平米未満(200m2未満)までは不要となる

 

 

たとえば、延床面積が180平米(約55坪)の3階建ての住宅をシェアハウスにする場合には、耐火建築物にしたり行政に対して建築確認の申請をしたりする必要がなくなります。

つまり、一戸建て住宅をシェアハウスにする際の規制が一部で緩和されており、建物の活用がしやすくなっているのです。

 

これは、建物を所有しているオーナーにとっては朗報といえるでしょう。

既存の建物を改修してシェアハウスや商業施設等に用途を変更し、活用することが可能になります。

なお、シェアハウスの用途は寄宿舎となります。(アパートなどの共同住宅とは違います。)

国土交通省)(東京都安全条例

 

 

●戸建住宅等(延べ面積200㎡未満かつ階数3以下)を福祉施設等とする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする。

●用途変更に伴って建築確認が必要となる規模を見直し(不要の規模上限を100㎡から200㎡に見直し)。

 

 

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改正 建築基準法の注意点(シェアハウス関連)

改正建築基準法の注意点(その他)

 

既存の建物をシェアハウスに改修する際の注意点を見ていきましょう。

 

  • 階段の区画
  • 火災報知器の設置

 

自治体によっては、建物の内部の「階段を区画する」必要があります。(火災の延焼を防止するために扉などを設置します。)

火災報知器の設置も必要になります。戸建ての場合は住宅用でよいケースもあります。

 

また、建物をシェアハウス(寄宿舎)に用途変更する場合には、事前に「用途地域」(例:第一種低層住居専用地域など)を確認することが必要です。

幸い、シェアハウスにはほとんど用途地域の規制がありません。(工業専用地域のみ不可)

 

(参考)ウィキペディア
用途変更とは
用途地域とは

 

入居者の「避難」については、従来の規制や規模の適用を含めて管轄の自治体に確認することが重要です。

また、「消防法等の関係規定」については従前のままです。(建築基準法)

建物の用途を変えることによる手続きや対応が必要になる場合があるので要注意です。

 

さらに今後の注意点として、各自治体による規制の可能性があります。(上乗せ規制)

改正建築基準法の捉え方は自治体によって異なる場合もありえます。そのため、シェアハウスの規制については自治体への確認が重要です。

 

(参考)
東京都建築安全条例の見直しの考え方(PDF)

 

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まとめ(建築基準法の改正)

2019年6月に改正された建築基準法では、規制が緩和されて既存の建物をシェアハウスに転用しやすくなっています。

シェアハウスの経営や投資を考えている人にとっては朗報といえますね。

 

改正建築基準法の改正まとめ(シェアハウス)
  • 建物をシェアハウスに活用しやすく改正されている
  • 戸建て住宅を耐火建築物にしなくてもよい(延べ面積200平米未満かつ3階建て以下)
  • 用途変更の建築確認が不要となる規模の見直し(200平米未満)
  • 寄宿舎の基準が適用される項目もあるので注意する
  • 自治体によって異なる規定や条例もあるので確認することが重要

 

Ⓒシェアハウス経営の教科書

 

 

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