目次(もくじ)
「シェアハウス」とはどんな建物なのか
シェアハウスは、ひとつの建物の中で複数の人が共同生活する賃貸住宅を指します。(シェアドハウス:shared house:からきた和製英語)
住人同士で建物内のリビングやキッチン、浴室などを共用し、各住人の「個室」をプライベート空間として生活します。
もともとは、ファミリータイプの4LDKや一戸建てを節約の目的のために複数人で賃借する発想から生まれました。
現在では、社宅や寮を改修(リフォーム)して30人以上が生活するシェアハウスも多くあります。
また、女性専用の物件や、同じ趣味の人が住むシェアハウスなどもあります。
「シェアハウス」には法律的な定義はありません。
基本的には、1か月以上の賃貸借契約を締結することが多く、「賃貸住宅」に分類されます。
建築基準法では「寄宿舎」に該当しています。
シェアハウスの主な特徴
シェアハウスは、様々な人と交流しながら共同生活をすることが一番の特徴と言えます。
また、通常の賃貸アパートに比べ初期費用を抑えて住み始めることができるところもポイントです。
シェアハウスの一般的な特徴
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- 一つの建物内での共同生活
- リビングのテーブル・イスや個室のベッドなど必要な家具が揃っている
- 大型テレビや洗濯機、キッチンの電子レンジやトースターなど必要な家電が揃っている
- トイレやシャワー室など水回りなどの設備を住人で共用する(寮や下宿のイメージ)
- 水道光熱費などの料金が固定されていることが多い
- トイレットペーパーや食器用洗剤などの消耗品は運営側から支給されることが多い
- 契約時の初期費用をおさえてスタートできる(敷金・礼金、引越し費用、家具家電の購入費用など)
小規模な4LDKのシェアハウス事例・4つの個室を利用して4人で生活する・LDK・洗面所・トイレ・ベランダなどを共用する・各個室にはカギがありプライベートは確保できる
シェアハウスのその他の特徴
特別な設備を配したシェアハウスもあります。
大型スクリーンを配したシアタールーム、フィットネススタジオ、本格的な楽器演奏が可能な防音室のある物件も。
また、シェアハウスが持つコミュニティに着目し、物件にコンセプトを持たせたハウスもあります。
コンセプトがあるシェアハウスの事例
・共通の趣味を持つシェアハウス(スポーツ、サイクリング、ガーデニングなど)
・ビジネスパーソン向けのシェアハウス(ITスキル向上、起業家支援など)
・様々な人を支援するシェアハウス(保育設備を持つシングルマザー向け、就活生支援など)
シェアハウスの注意点
「シェアハウス」と表示していても、実際にはシェアハウスとはいえないような内容の物件もあります。たとえば、下記のような物件です。
- 入居者の人数に対応した広さのリビング・ダイニングがない
- 建物の床面積に対して個室が多すぎる
LDK部分を極端に狭くして個室の数が多く作られているという建物を、シェアハウスと称して運営している物件も見られます。
このような物件は住人同士の交流が起こりにくく、本来のシェアハウスとはかけ離れたものと言えます。
上記のような物件を「シェアハウス」と称して運営しているケースもあるので注意が必要です。(「かぼちゃの馬車」という物件の事例があります。)
アパートやマンションとの違い
- 短期間の契約ができる物件も多い(1か月~)
- 入居時に保証人・保証会社がいらない物件も多い
- 家具・家電が揃っているのですぐに生活ができる
ゲストハウスとの違い
シェアハウスとよく混同されているのが「ゲストハウス」です。
シェアハウスと同じ意味で使用されることもあります。
しかし、ゲストハウスは、バックパッカーの利用などに主眼を置いた比較的安価な「宿泊施設」を指して使われることが多いです。
1日~数週間などの短期で利用できる物件があれば、それは法律的には「宿泊施設」となります。(ウィークリーマンションも該当します)
その場合は「旅館業法」が適用されますので住宅ではなくなります。
シェアハウスは、1か月以上の「賃貸借契約」をむすぶ賃貸住宅です。法律は、民法・借地借家法などが適用されます。
宿泊施設と賃貸住宅では適用される法律や建物の仕様も異なりますので、注意が必要です。
(参考)
ウィキペディア「ゲストハウス」
下宿・寮との違い
下宿や寮は同じ学校や会社の人と生活することが多いと思います。
シェアハウスの建物構造は、下宿や寮と似ています。
しかし、シェアハウスの入居者は多種多様であり、入居者ひとり一人がオーナーや運営・管理会社と契約します。
契約書の内容に沿って共同生活を送ります。
【事例コンテンツ(シェアハウス経営)】
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