シェアハウス運営に物件の「管理人」は必要か(解説)

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一般的に分譲や規模の大きいマンションには管理人がいることが多いですが、それ以外のアパートなどには物件の管理人はほとんどいませんよね。

では、シェアハウス物件の運営にいわゆる「管理人」は必要なのでしょうか。

 

結論からいうと、シェアハウスの物件内に管理人を置いているケースは多くありません。

 

このコンテンツでは、シェアハウスの管理人についての考え方を中心に、そのメリット・デメリットも解説しています。

 

(シェアハウスの管理人については管理会社によって呼び名が異なる場合もありますが、このコンテンツ内では便宜上「管理人」と称しています。)

 

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シェアハウスでは管理人を置かないケースが多い

シェアハウスは「巡回管理」が主流

 

 

前述のとおり、シェアハウスの運営では物件内に管理人を置くことは多くありません。

その理由は、コストと人材です。

管理人室などを設置したり人を雇うのは大きなコストとなります。

また、人材を確保するための施策も必要です。

 

では、実際のシェアハウスはどのように管理をしているのでしょうか。

それは「巡回管理」です。

 

週に数回など、管理会社のスタッフが定期的に物件を巡回して管理しています。

また、物件の見学や退去の立会いなどがあれば、その時に管理業務をすることができます。

 

シェアハウスに管理人やスタッフを配置している物件も

シェアハウスの管理会社の中には、物件内に管理人を配置しているところもあります。

ただ、その多くが入居者が30人超などの「大型の物件」です。

物件の規模が大きくなれば管理する範囲やチェック項目も多くなり、巡回管理では不十分だったり迅速な対応ができなかったりする可能性があるからです。

 

物件に専任の管理人がいれば、入居者にとっての満足度や安心感を高めたりトラブルの解決を早めたりすることができます。

ただし手間と人手がかかる分、オーナーが管理会社に支払う費用は高額になる可能性があります。

 

入居者に依頼している物件や管理会社もある

入居者に業務を依頼することも

 

一方、入居者に管理人としての業務を任せているシェアハウスもあります。

入居期間が長く信頼できる住人を管理会社が選定しているようです。

 

たとえば、シェアハウスの運営業務を手伝った入居者に対し、報酬を支払う「フェロー制度」を導入している管理会社もあります。

シェアハウス運営のノウハウを学んでもらい、将来的には社員として雇用することも視野に入れているとのこと。

 

(参考)シェアハウスの運営手伝いで家賃が割引になる「フェロー制度」とは?

 

 

また、管理人まではいかなくても住人に「管理業務の一部」を任せている場合もあります。

共用部の清掃や内見の案内を依頼する、などの事例があります。

このあたりの考え方や方針も、管理会社や物件によって異なります。

 

シェアハウス管理人のメリット・デメリット

シェアハウス管理人の「メリット・デメリット」

 

 

シェアハウスの管理人や入居者に管理業務の一部を委託したりすることについて、「メリット・デメリット」を見ていきましょう。

 

シェアハウス管理人を配置する「メリット」

 

メリット
  • シェアハウスの見学時に雰囲気や住人の様子が伝わりやすい
  • 物件内の変化に気づきやすくなる
  • トラブルの防止や解決が迅速にできる
  • 将来のスタッフ候補を育成できる(入居者に任せる場合)

 

物件内に管理人がいれば、入居希望者の見学を任せることができます。

シェアハウスの雰囲気やどんな住人がいるかなど、物件の様子をリアルに説明できるでしょう。

 

物件に滞在している時間が長ければ、ハウス内の変化にも気づきやすくなります。

たとえばハウスルールの違反があったとしても、その内容や誰が違反をしているかなどを把握するのが容易になるでしょう。

トラブルの解決を早めたりトラブルの防止につながったりしてきます。

 

管理会社が入居者に管理人や管理業務を依頼している場合は、将来のスタッフ候補とみなして育てていることもあります。

シェアハウスの運営経験があれば即戦力になるので管理会社としても助かりますし、管理会社のスタッフが充実することは物件オーナーにとってもメリットといえます。

 

 

シェアハウス管理人を配置する「デメリット」

 

デメリット
  • チェック項目がないと業務内容があいまいになる
  • 管理人の主観や好き嫌いが入居審査に反映されることも
  • 小さなトラブルを見過ごす可能性 
  • 物件の「主(ぬし)」となる懸念も
  • 管理人の変更や引継ぎもポイント

 

シェアハウスは共同生活なので、気を緩めるとルール違反やトラブルが起きやすくなります。

管理人を配置する場合には、会社の管理方針を業務内容に反映させることが重要です。

詳細なチェック項目を用意し、誰でも同じ水準の業務ができるようにしておく必要があります。

 

仮に業務の内容があいまいだと、管理人の主観や好き嫌いが反映されてしまいます。

自分と馬の合う人を優先して入居させたり、決められた業務を行なわなかったりする可能性も出てきます。

 

管理人の裁量が大きいと、その物件の「主(ぬし)」のような存在になるケースも。

そうするとハウス内の人間関係を優先し、トラブルがあっても見過ごすようなことになりかねません。

 

また、管理人が変更する際も注意が必要です。

新しい人がこれまでの業務内容をスムーズに行なえるよう、綿密な引継ぎが求められます。

新旧の管理人で大きな違いが生じると、シェアハウスの住人も困惑し新たなトラブルの原因になってしまいます。

 

筆者の事例と注意点を解説します

筆者は20棟・300人超を管理する東京のシェアハウス会社の経験があります。

その立場から、オーナーや管理会社にとって「シェアハウスの管理人」についての事例と注意点を解説します。

 

入居者に管理を依頼した事例

筆者の管理会社でも「入居者に管理業務の一部を任せる」ということを過去に試みたことがあります。

しかし、結果的には上手くいきませんでした。

チェックの仕組みにも課題があったと思いますが、良い人材を常に確保することの難しさを経験しました。

 

現在は、管理会社のスタッフが全物件を定期巡回しています。

共用部の清掃員とも情報を共有することで、シェアハウス内の変化を見逃さない仕組みを築いています。

 

 

管理人などを配置する際の注意点

シェアハウスの管理人の配置や入居者への管理業務の依頼は、前述した「デメリット」にもあるように詳細なチェック項目や人選、引継ぎなどがポイントとなります。

基本的な目的は「管理会社の業務を減らす」ことですが、機能しないと逆に業務が繁雑になりかねません。

導入する際には、業務の仕組み化や人選がカギとなるでしょう。

 

また、シェアハウスのオーナーも注意が必要です。

管理会社に物件の管理を一任している場合は、業者が管理業務の一部を入居者に依頼している可能性もあります。

その結果、大きなトラブルが発生してオーナーと管理会社との信頼関係が崩れるケースもあり得ます。

 

まとめ

シェアハウスに管理人を配置しているケースはそれほど多くはありません。

入居者に管理業務の一部を任せているシェアハウスはあるようです。

オーナーや管理会社は、そのメリット・デメリットを把握して物件に合った管理体制を構築することが重要です。

 

 

Ⓒシェアハウス経営の教科書

 

 

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