シェアハウス経営【3つのリスクについて解説します】(失敗の事例あり)

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シェアハウスの経営や投資を考えている人の中には、不安がある人もいると思います。

スルガ銀行の事件などもあり、シェアハウスの正確な情報が確認しづらくなっているのかもしれません。

 

今回のコンテンツでは、シェアハウス経営の「デメリット・リスク」について解説をしています。

メリットだけでなくデメリット・失敗例・トラブル事例なども知ることで、シェアハウスの理解をより深めることができます。

 

シェアハウスは、正しい方法で経営・運営しないと成功しません。

 

筆者は、20棟・300室のシェアハウス管理会社の経験があり、10年以上もシェアハウス業界を見てきました。

プロの目線からみると、一見デメリットやリスクに見えることでも、メリットになり得るケースもあります。

シェアハウスの経営・投資が初めての人でもわかりやすいように、具体例も交えてお伝えします。

 

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シェアハウス失敗のリスク① 一般の賃貸住宅との比較

シェアハウス経営の失敗リスク①

 

 

シェアハウス経営の特徴は、一般的な賃貸住宅とはいくつかの異なる点があります。

アパートやマンションと比較して見ていきましょう。

 

管理組合や近隣に十分な配慮が必要

区分マンションなどの「集合住宅の一部でシェアハウス経営を行う」場合には、事前に管理規約・管理組合に確認する必要があります。

シェアハウスの運営が禁止されていれば、参入することはできません。

また、シェアハウスの運営が可能だったとしても、管理組合に相談したり報告したりする必要が出てくるでしょう。

運営中に近隣の部屋からのクレームが出る可能性もありますので、しっかりとしたルール作りと順守の徹底が求められます。

一方、「戸建て」を利用したシェアハウスは、ある程度は自由な運営が可能です。

しかし、近隣の迷惑にならないように配慮した運営は必要になります。

 

リフォーム費用がかかる

既存の建物をシェアハウスにする場合には、リフォーム工事が必要になります。築年数が古い建物は、「耐震工事」が必要です。

とくに1981年以前に建てられた、いわゆる「旧耐震基準」の建物は現在の基準に合わせた耐震補強工事を行います。

また、建物に必要なメンテナンスがされてない建物の場合は、屋根や外壁のリフォーム費用がかかることがあります。

 

家具・家電・備品の費用がかかる

シェアハウスは、生活に必要な「家具・家電・備品」をあらかじめ建物内に設置します。

たとえば、家具は個室のベッドやデスクなど、リビングのテーブルやソファなどが必要になります。

家電は、個室のエアコンやデスクライトなど、キッチンの冷蔵庫や電子レンジなど、共用部の洗濯機などが必要です。

備品は、個室のカーテン、キッチンの調理器具、トイレットペーパーなどの消耗品を揃えます。

 

一般の不動産会社で募集・仲介(入居者契約)しない

不動産仲介会社がシェアハウスの物件(賃貸)を扱うことはほとんどありません。

その理由はいくつかありますが、一言でいうと「割に合わない」からです。不動産仲介会社の立場から見ると、シェアハウスはとても「めんどくさい」からです。

そのため、シェアハウスの入居者の募集や契約は、シェアハウス管理会社やオーナー自身が行うことになります。

一般の不動産仲介業者は、シェアハウス物件を扱っていなかったり、扱ったことがなかったりします。(知識・経験がない)

シェアハウス物件を扱う場合でも、案内時にその物件の特徴を詳細に把握して入居希望者に対応しなければならないため、準備が大変です。
入居希望者から、ハウス内の雰囲気や男女比率、細かいルールなどを聞かれることがあるからです。

また、不動産業者の収益となる「仲介手数料」は最大で賃料のか月分のため、色々と頑張ってもシェアハウス室の賃料しかもらえません。

案内しても契約に結びつかなければ売上も立たないので、「割に合わない」と感じるのも無理がないかもしれません。

以上のような理由から、一般の不動産仲介業者による入居者の仲介は非常に少なくなっています。

 

シェアハウスは入居者と「定期借家契約」を結ぶ

シェアハウスは、入居者と「定期借家契約」を結ぶことが一般的です。

通常のアパート・マンションではあまり普及していない契約なので、不動産業者によってはその実務に対応できない場合があります。

街の不動産会社に気軽に入居者募集のお願いができない、というのもシェアハウスのデメリットといえるかもしれません。

ちなみに定期借家契約とは、契約期限を明確に定め、その期限がきたら契約が満了するというものです。(引き続き入居することができるようにすることは可能です。)

詳細は、下記の国土交通省の解説や関連コンテンツをご覧ください。

定期借家契約とは(国土交通省)

 

シェアハウスは管理の手間がかかる

シェアハウスは一般の賃貸住宅と比較して、「管理」の手間がかかります。

 

  • インターネットでの入居者募集
  • 物件案内(見学)
  • 独自の審査
  • 定期借家契約
  • 入居後のチェック(生活態度・入金など)
  • 入居者とのコミュニケーション
  • 定期的に物件を巡回する(週1回以上)
  • パーティー・イベントの企画・実施
  • トラブル時の早急な対応

 

契約前は、入居者の性格やコミュニケーション能力も加味して審査する必要があります。

入居後は、契約書やハウスルールが守られているかを常にチェックし、物件の定期巡回を行います。

ルールやマナーを守らない入居者がいると、他の入居者に影響を与え、良質な入居者がすぐに退去してしまうからです。

 

シェアハウス失敗のリスク② シェアハウスの開業に相談相手がいない

シェアハウス経営の失敗リスク②

 

シェアハウスの実績があるプロに相談する

前述のとおり、一般の不動産会社はシェアハウスについてあまり知りません。

そのため、シェアハウスについては気軽に相談をするわけにはいきません。

シェアハウスの経営については、「実際の経験と実績のある会社や人物」に相談する必要があります。

当たり前のことではあるのですが、下記のような身近な人や会社に相談してしまう人が多くいるのも事実なのです。

 

  • 不動産会社
  • リフォーム会社
  • 設計事務所
  • インテリアコーディネーター
  • 賃貸経営の仲間

 

知り合いに相談をしてみても、シェアハウスの経験や実績がない人は、自分がよくわからないことには否定的な見方をする場合があります。

たとえば、「かぼちゃの馬車」やスルガ銀行の事件があったのでうまくいくはずがない、と言う人がいるかもしれません。

しかし、10年以上も運営している優良なシェアハウスは多数ありますし、現在も新しいシェアハウス物件がオープンし続けています。

シェアハウスに否定的な声はアドバイスとして聞きつつも、プロの話もしっかりと聞いてあなたが納得できるまで理解することが重要です。

 

シェアハウスの運営・管理会社でも注意が必要

シェアハウスの管理をしている会社であっても、知識や経験には差があります。

たとえば、「入居者の安全」についても会社によって取り組み方が異なります。

古い建物をシェアハウスにする場合には、必要に応じて「耐震補強工事」をします。多くの入居者が生活する場を提供することには、大きな責任がともなうからです。

しかし、必要な工事をせずにリフォーム費用を安くして、収益力を高めることを重要視している会社もあります。

下記は実際にあった事例ですが、50年の物件を耐震補強しないでシェアハウスにする業者もいるので注意が必要です。

 

シェアハウスの「ポータルサイト」に相談してはいけない

GoogleやYahoo!で「シェアハウス」について検索していると、シェアハウスの物件情報を掲載している「ポータルサイト」が表示されることも多くあります。

ポータルサイトの中には、シェアハウス経営や開業の相談に応じているところもあります。

 

しかし、安易にポータルサイトに相談するのはおすすめしません。

その理由は、ポータルサイトには「シェアハウス経営の十分なノウハウがない」ことが多いからです。

ポータルサイトは、オーナーや管理会社のシェアハウス物件を「掲載すること」が目的であり、実際にシェアハウスの経営・運営の経験がある会社はほとんどありません。

そのため、オーナー希望の人からの問い合わせに対して、豊富な経験に基づいた的確なアドバイスをすることは困難です。

 

ポータルサイトは、自社でシェアハウスを管理・運営することはできません。

これは筆者の推測ですが、シェアハウス経営の相談があったときには、取引(掲載など)のある「管理会社」を紹介しているポータルサイトもあるのではないかと思っています。

オーナーがその管理会社にシェアハウスの管理運営を任せることが決まったときには、ポータルサイトは管理会社から「紹介料」をもらうこともできます。

ポータルサイトの中には、このようなビジネスにつなげるためにシェアハウス経営の相談を受けている場合もあるので、オーナーは注意が必要です。

 

シェアハウスの運営を管理会社に委託する場合には、オーナー自らがしっかりと調査して判断することが重要になります。

 

シェアハウス失敗のリスク③ 融資する金融機関が少ない

シェアハウス経営の失敗リスク③

 

スマートデイズという会社による「かぼちゃの馬車」の事件により、金融機関の融資は難しくなっています。

また民法の改正を受けて、賃貸事業ローンで法定相続人の連帯保証をなくす銀行が増える見込みです。

大きな融資を受けて土地・建物を購入するような、シェアハウス投資は難しい状況といえるでしょう。

しかし、既存の建物をリフォームしてシェアハウスとして活用することは、筆者はまだまだ可能だと考えています。

その理由は後述します。

 

シェアハウス経営のリスク(デメリット)を「メリット」に転換する

事前にリスクを認識しておけば、「メリット」に転換してシェアハウス運営することが可能になります

 

シェアハウスのデメリットやリスクについて見てきましたが、実はこの中に「色々なヒント」が隠されていると筆者は考えています。

どんな物事でもそうですが、見方を変えれば「メリット」になる可能性があるからです。

シェアハウスのデメリットや失敗例から、その可能性について少し詳しく見ていきましょう。

 

「かぼちゃの馬車」事件があったことで、シェアハウス業界に問題があると思っている人がいるかもしれません。

しかしこの事件は、相場よりも低い価値の物件を「シェアハウスと称して」投資家に高値で販売し、いいかげんな管理を続けて破たんしました。

詳細は、「かぼちゃの馬車」とスルガ銀行に関するコンテンツをご覧ください。

 

一部の悪質な会社の事例だけを見て「本質」を見失ってしまえば、シェアハウス業界やそのメリットは見えてきません。

そこで、20棟・300室のシェアハウス管理の経験(10年超)がある筆者が、シェアハウス業界の可能性についてプロの視点から客観的に解説をしてみます。

シェアハウスを取り巻く現状には下記のようなものがあります。

 

シェアハウスを取り巻く現状
  • シェアハウスに入居したい若者の需要は減っていない
  • 健全に運営すればしっかりと利益が出る
  • 行政や自治体は既存の建物の有効活用を模索している
  • 金融機関もしっかりとした事業には融資をしたいと考えている
  • 空き家や古いアパートの空室が問題になっている

 

シェアハウスは既存の建物を有効活用することができ、社会的な意義も高い事業という側面もあるのです。

このコンテンツ内で見てきたシェアハウスのデメリットについて考えてみると、逆に「メリット」として捉えることができる事項も見えてきます。

 

デメリット(リスク) 対策など(メリットへ)
一般賃貸よりも手間がかかる アパート・マンションに比べてライバルが少ない
相談する先がわからない 経験・実績のあるシェアハウス運営会社もある
融資をする金融機関が少ない 運営会社と組んで事業計画をしっかりと立てる
シェアハウス事件があって不安 事件を起こしたのは一部の業者

10年以上も運営しているシェアハウスも多数ある

入退去が激しい 手軽さが若者に支持されている

不良入居者もすぐに退去する

共用部の清掃が必要 個室のクリーニングは簡単にできる
個室の造作などリフォーム費用がかかる 入居人数を増やせば空室リスクを低減できる

 

 上記のような理由もあり、シェアハウスの参入者が減っています。

そのため、競争相手が少なくなっているのでブルーオーシャンとなる可能性があります。

工夫次第で差別化した「シェアハウス」という賃貸経営ができます。

 

まとめ

シェアハウス経営のリスクについて見てきました。

一般的なアパートやマンションと比較するとデメリットに見える部分もあると思います。

しかし、だからこそ参入する人が少なく、正しい方法で運営している人は「一人勝ち」しているのも事実なのです。

どんな事業にもリスクは存在します。

経験や実績のあるパートナーと組むことで、デメリットをメリットに転換してシェアハウス運営することが可能になります。

 

シェアハウス経営のリスク(まとめ)
  • シェアハウスは管理に手間がかかる
  • 経験・実績のある運営会社に相談する
  • 正しい方法で経営すれば成功する
  • 参入者が少ないので競争率が低い(ブルーオーシャン)
  • デメリットもリスクを把握すれば「メリット」になり得る

 

Ⓒシェアハウス経営の教科書

 

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