
このコンテンツでは、シェアハウスの入居者が支払う「共益費」について解説しています。
シェアハウスに初めて入居しようとしている人にとっては、「共益費」の仕組みは少しわかりづらい部分があると思います。
通常のアパートやマンションとは異なるところもありますので、事前に理解しておくことが必要です。
このコンテンツを読むことで、シェアハウスの共益費の仕組みやメリットがわかるようになります。
筆者は東京で10年以上シェアハウスの運営・管理にたずさわってきました。
その経験から、シェアハウスの共益費の「注意点」をしっかりとお伝えしていきます。
目次(もくじ)
シェアハウスの共益費とは「水道光熱費+ネット代+消耗品代」
シェアハウスにおける「共益費」とは一言でいうと、その物件で使用する「毎月の水道光熱費・インターネット料金・消耗品費」です。
シェアハウスのオーナーや管理会社が入居者の全員から徴収し、その支払いにあてています。(家賃とは別に徴収します。)
一人暮らしのアパートやマンションでは、水道、電気、ガス、インターネットの費用をそれぞれ自分で契約し、毎月支払わなければなりません。
しかし、シェアハウスでは共益費の金額が固定されていることが多く、まとめて一度に支払うことができるというメリットがあります。
また、共有部の清掃も含まれている場合がありますので、その場合は自分で清掃する手間がはぶけるということもメリットの一つです。
シェアハウスでは、月額1万円くらいで設定していることが多いです。
- 水道代
- 電気代
- ガス代
- インターネット費用
- 日用品・消耗
- 定期的な清掃費
水道代
シェアハウス内で使用する、トイレ、シャワー、キッチン、洗面などの水道代です。
お風呂(浴槽)が設置されている物件は、水道の使用量が多くなりがちです。
電気代
ハウス全体で使用する電気代です。
個室、廊下、キッチン、リビングなどが含まれます。
ガス代
キッチンのガスコンロや、シャワー(お風呂)、洗面でお湯を利用するときのガス代です。
インターネット費用
有線LANや無線LAN(WIFI)の費用です。
シェアハウスでは物件の全体に無線LANを飛ばして、入居者が自由に利用できるようにしていることが多いです。
日用品・消耗品
トイレットペーパー、洗剤、調味料などの補充費用です。
(※物件や管理会社によって共益費に含まれない場合があります。)
定期的な清掃費
シェアハウスの共有部(廊下、キッチン、リビング、シャワー、トイレ)は、定期的な清掃が入ることが多いです。
清掃の回数や内容はシェアハウスのオーナーや管理会社によって異なります。
(※清掃費が共益費に含まれない場合もあります。)
シェアハウスの共益費 注意点
シェアハウスの共益費は、物件やオーナー、管理会社によってその設定が様々です。
初めてシェアハウスに入居する人や、別の管理会社のシェアハウスに引越しする場合は、下記の点に注意しましょう。
シェアハウスの共益費(注意点)
- 内容・支払い方法をチェックする
- 家賃に含まれて表示されている場合がある
- 共益費に含まれない項目をチェックする
- 値上げの可能性がある
- 超過分が請求される場合がある
- 部屋数が少ないシェアハウスは共益費が高くなりがち
- 金額だけで判断してはダメ
- 定額だが使い放題ではない
以下、詳しく見ていきましょう。
内容・支払い方法をチェックする
シェアハウスの共益費の内容には、何が含まれて何が含まれないのか、あいまいな場合があります。
サイトの募集内容などで「共益費」に含まれる内容をよく確認することが必要です。
不明な点があればメールで問い合わせたり、物件の見学時に担当者に確認したりしましょう。
家賃に含まれて表示されている場合がある
共益費が家賃に含まれていることがあります。
たとえば、「共益費込みで家賃は〇〇円」のような表示の物件ですね。
募集サイトに共益費が表示されていない場合や、合計金額が「家賃」として表示されていることがありますので確認しましょう。
共益費に含まれない項目をチェックする
物件によっては共益費に含まれていない項目がある場合があります。
たとえば、「清掃費」などとして別に費用が発生することもありますので、契約前によく確認しておきましょう。
値上げの可能性がある
共益費は値上げされることがあります。
たとえば、公共料金が値上げされたり、使用量が想定をオーバーしたりして入居者から徴収する共益費ではまかなえなくなる場合があります。
そうすると、時期を見てオーナーや管理会社から値上げの要請が来る可能性があります。
契約書に値上げについての項目があるかどうか、事前に確認しておきましょう。
超過分が請求される場合がある
シェアハウスによっては水道光熱費が定額でなかったり、共益費の超過分を徴収したりすることがあります。
これも、事前に契約書をよく確認しておきましょう。
部屋数が少ないシェアハウスは共益費が高くなりがち
いわゆる水道光熱費には「基本料金」と使用量に応じた料金がかかるため、少ない人数でまかなおうとすると料金が割高になりがちです。
そのため、ハウスの人数が少ない場合は一人当たりの金額が高くなることがあります。
ハウスの人数と共益費のバランスも確認しておきましょう。
金額だけで判断してはダメ
家賃と共益費が少しでも安いシェアハウスに入居したいというのは誰でも同じことでしょう。
しかし、「家賃+共益費」の合計金額だけで早急に判断するのは避けてください。
共益費が安い物件は、サービス内容が悪い場合があります。
たとえば、WIFIの速度が遅かったり、共有部の清掃回数が少なかったりするかもしれません。
これと反対に、共益費をしっかりと設定している物件はサービスや管理内容が充実している可能性が高いことが多いですね。
金額とサービスや管理内容のバランスを確認しましょう。
シェアハウスで長く快適に生活したいのであれば、金額だけでなくサービスや管理内容も良く確認してから選びましょう。
シェアハウスの共益費とデポジットの違い
シェアハウスを利用するのが初めての人は、「デポジット」についてわからないことがあると思います。
デポジットとは、一般の賃貸住宅でいう「敷金」のようなものです。
保証金と呼ぶこともあり、サイトや管理会社によって名称が異なる場合があります。
デポジットは、入居時に支払って退去時に返還されることが多いです。
「共益費」はデポジットとは異なり、毎月かかる費用です。
たとえば、一般の賃貸住宅でいうと「管理費」にあたります。
シェアハウス |
アパート・マンション |
デポジット・保証金 | 敷金 |
共益費
(水道光熱費・ネット代など) |
管理費
(共用廊下の電気・エレベーターなど) |
※デポジットについては、別の記事で詳しく解説する予定です。
筆者が実際にシェアハウスで設定した「共益費」の事例(相場)
筆者がシェアハウスの管理に10年以上たずさわる中で、実際に運営した物件で設定した「共益費」の事例をお伝えします。
共益費に含めたもの
- 水道代
- 電気代
- ガス代
- インターネット代(WIFI)
- 日用品・消耗品(トイレットペーパー・洗剤)
徴収の方法
- 料金は毎月の定額制(月額10,000円~12,000円)
- 家賃と一緒に支払ってもらう
- 使用量の増加などがあって今までの金額でまかなえなくなった場合には、値上げする可能性があることを契約書に明記
- 1室に2人で入居する場合には、2人分の共益費を徴収する
筆者の10年以上の経験から、上記の方法が入居者にとっても管理会社にとってもストレスがない徴収ということがわかり、現在も採用しています。
まとめ
- シェアハウスの共益費は、水道光熱費+ネット料金
- 共益費は値上げされる可能性もある
- 契約書をよく確認する
- 金額だけでなく、サービス内容も確認する